Free大助!

「冤罪・北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【57】最高裁判所に要請、行ってきました。

仙台での再審請求棄却を受け、

守大助さんの自由を取り戻す闘いは、

東京・最高裁判所に移りました。

昨日5月16日は公正な判断を行うよう、

要請に行ってきました。

この「最高裁要請」は、

人権団体「日本国民救援会」が定期的に行っている活動です。

裁判所は一応は “開かれた司法” をタテマエにしているので、 

こうして市民の声を聴く場を設けてくれるのです。

 

昨日は大助さんの北陵クリニック事件のほか、

「大崎事件」「松橋事件」「湖東記念病院事件」など計5事件、

16人の支援者が集まりました。

最高裁は裏口を入ってすぐの、小さな会議室を用意してくれました。

正門からは堂々と入れたくないのかな…。

 

対応してくれたのは上席書記官のセキグチさん。

髪の毛からジャケットまでグレーの物静かな雰囲気の方で、

終始ほぼ無言でペンを走らせ、ポーカーフェイスを保っていました。

要請と言っても、裁判官が直接対応してくれるワケではありません。

私たちの声はセキグチさんのような事務方を経由して、

裁判官に届けられます。

そこでどんなやり取りが行われているかは、ブラックボックスです。

 

大助さんの支援者は私のほかに千葉と愛知からも参加し、

この事件が冤罪であること、

最高裁の公正な判断に期待していることを、

それぞれに訴えました。

大助さんの支援活動を行っているグループは全国に43あります。

遠くからわざわざ足を運んでくることに、

本当に頭が下がる想いです。

 

湖東記念病院の当事者である西山美香さんも滋賀から駆けつけ、

“最後までがんばりたい” と、思いの丈を語りました。

 この事件については、こちらで紹介しました。

 【30】クリスマスの日、守大助さんに面会してきました! - Free大助!

 無実を訴えながら12年間を塀の中で過ごした末に、

やっとの想いで勝ち取った再審開始決定。

しかし検察の特別抗告により、未だに無罪が確定していません。

もし最高裁が検察の言いなりになって再審開始を取り消せば、

もう一度再審を請求し直さなければなりません。

また長い年月がかかってしまいます。

 

同じく昨日要請を行った「大崎事件」「松橋事件」も、

まったく同じ状況です。

この2事件については、こちらで紹介しました。

【27】冤罪「松橋事件」どうする検察!? 12月4日に注目! - Free大助!

【28】冤罪「松橋事件」やはり検察は特別抗告(怒) - Free大助!

【40】大崎事件、再審開始決定!だが喜ぶのはまだ早い - Free大助!

 “針の穴にラクダを通すほど難しい” と言われる

再審開始決定を勝ち取りながら、

検察の抗告によって無罪確定がストップしている事件が、

3つも最高裁に上がってきているのは、

おそらく日本の刑事司法が始まって以来の異常事態です。

公益の代表者という使命を放棄し、

“司法マフィア” となった検察の蛮行と、

それをハッキリと断罪しないマスメディアについても、

このブログでたびたび指摘してきた通りです。

 

最高裁がどんな判断を下すか、

シッカリ注目していきましょう!!

裁判所を変える責任は、私たちにあります。

 

最高裁判所の裏口にあたる西門。最高裁の建物は正面から見ると周囲を寄せ付けない威圧的な形をしていますが、裏側から見ると普通のビルです。

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【56】守大助さんの詩「母」

今日は(日付が変わったのでもう昨日ですね)「母の日」でした。

皆さんはカーネーション、プレゼントしましたか?

守大助さんは、獄中でたくさんの詩を綴っています。

その中から「母」という詩を紹介します。

 

実家で母と会話したのが

2001年1月5日…

これを最後に外で会話できない

母と一緒に 買い物に行ったこと

母と一緒に食事したこと

母もきっと忘れていないだろう

もう少しです もう少しの辛抱です

必ず帰りますから

元気でいてください

 

“2001年1月5日”は、逮捕される前日。

1月6日の朝8時30分頃、

家に警察官が来るまでは、

普通の生活をしていました。

それから17年以上も塀の中とは、

想像すらできなかったでしょう。

日本の刑事司法を変えない限り、

大助さんの身に起きたことは、

私たちの誰にでも起こりえます。

 

実は大助さんの詩、朗読で聴けるラジオ番組があります。

インターネットラジオ放送局「ゆめのたね」(東日本チャンネル)の、

日曜日22:30〜「笑顔のチカラヂオちぼびたんでー」です。

支援者仲間のちいぼうさんがパーソナリティで、

大助さんのことも紹介しています。

リンクを貼っておきましたので、

ぜひ一度、お聴きになってください。

 

www.yumenotane.jp

 

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【55】“黙秘はケシカラン”と“セクハラ被害者は名乗り出ろ”

前回の “疑わしきは被告人の利益に” に続いて、

今回は“黙秘” について書きます。

正しく理解されていないように思うので。

 

警察の取調べや裁判の法廷で “黙秘している” というと、

“ケシカラン奴だ!” という印象を持ちますよね?

メディアも“黙秘=フテブテしい奴” という文脈で報道します。

もし無実なら堂々と“やってない”と言えばいいじゃないか…という意見、

一見もっともに聴こえます。

ある裁判員裁判では黙秘を貫いた被告人に対して、

“本当のコトを語って欲しかった” と感想を述べた裁判員がいました。

こちらも正論に聴こえますが、実はちがうんです。

 

黙秘というのは私たち市民が、

強大な権力から身を守るために与えられた、

尊い権利なのです。

 

このブログでも度々書いてきましたが、

警察は一度コイツが犯人だ!と思い込んだら、

取調室でトコトン締め上げて自白させようとします。

自分たちが考えた犯行のシナリオに合わせて、

強引に喋らせて自白調書をデッチ上げます。

そのデタラメな自白が裁判では “信用性がある” となって、

有罪判決が下されるコトもよくあります。

 

法廷では検察が被告人にいろいろ質問をします。

ただの質問なら良いのですが、

 “被告人=犯人=有罪にすべき” という前提で、

巧みに誘導してくることもあります。

 

こうした権力の横暴から身を守るには、

一切を語らない=黙秘するのが一番。

強大な権力を持つ警察・検察・裁判所に対して、

何の権力も持たない私たち市民に与えられた最善の防御策。

それが黙秘権なのです。

 

守大助さんも逮捕されたその日に、

デタラメの自白をしてしまいますが、

警察署に駆けつけた弁護士から、

“やってないならやってないと言って、黙秘しなさい”

とアドバイスを受けた後は黙秘を貫きました。

刑事は激怒し、

「ふざけるな!何が『やってません!黙秘します!!』だ。なめてるのか!」

とさらに苛烈な取り調べを行いましたが、

大助さんは一通の自白調書も取らせませんでした。

 

先ほどの裁判員裁判に、話しを戻します。

裁判員は、黙秘の意味を理解していなかったのでしょう。

これは本当に恐ろしいことです。

裁判員みんなが

“黙秘なんてケシカラン奴だ!こんな奴は死刑に!”

と思ったらどうなるでしょうか?

裁判は公開私刑(リンチ)の場になってしまいます。

ただでさえ日本は死刑賛成派が多く、

“ワルい奴は吊るせばいい” という感情が渦巻いています。

無実を訴え黙秘をする被告人が、

次々に厳罰に処される恐ろしい社会になるでしょう。

 

財務省のセクハラ問題では、

“被害女性は堂々と名乗り出ろ” という声が上がりました。

“黙秘せず堂々と話せ” という意見にソックリです。

ちゃんと名乗り出れば、堂々と話せば分かってくれる…。

国家権力とは、そんなモノじゃありません。

なぜ黙秘権があるのか? 今一度心に留めておきたいですね。

 

守大助さんと阿部泰雄弁護士の共著「僕はやってない!」。

取り調べの様子も詳しく書かれています。いずれ紹介します。

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【54】刑事司法にこそ“素人力”を!

このブログ【51】で紹介した「守大助さん三多摩の会」総会、

特別講演をされた村井敏邦一橋大学名誉教授から、

終了後の懇親会で、勇気づけられるメッセージをいただきました。

(村井教授は刑法の第一人者であり、

 弁護士としていくつかの冤罪事件の救済にも関わってきました。

 プロフィール・実績など、ぜひ検索してみてください!)

 

無罪を勝ち取る運動には多くの人が、

“こんな裁判はおかしい!”と思うことが必要。

弁護士や研究者だけが頑張ってもダメ。

市民の参加こそが大切。

“自分は法律の専門家じゃないから…”とか、

“こんな初歩的なことを質問したら恥ずかしい”などと

怖じ気づかないで、

素人だからこその素朴な疑問を大切に、

声を上げて欲しい。

 

本当に…まったくその通りです!

刑事訴訟法を読むのも裁判の判決文を読むのも、

とても骨が折れますし、

司法って本当に難しいです。

だからと言って“私は関係ない”で良いのでしょうか?

 

司法は本来、私たちの暮らしを守るためにあります。

一人ひとりに大きく関係しているものです。

だからこそ健全に機能するように、

関心を持ってしっかり監視しなければならないのです。

 

守大助さんの身に起きたことは、

決して他人事ではありません。

いつ私(貴方)自身が、または大切な誰かが、

突然身に覚えのない罪で逮捕され、

苛烈な取調べで自白を強要され、

杜撰な裁判で有罪にされるかもしれないのです。

警察や検察、裁判所にそうさせないことは、

私たち自身の責任。それが民主主義のハズです。

このブログを立ち上げたのも、そんな想いからでした。

なのでサブタイトルに、

“素人の素朴な目線から冤罪を考える”と付けました。

 

秘密保護法、安保法案、共謀罪の時は、

“素人”である市民が国会前デモに繰り出し、

一人ひとり声を上げました。

法務省最高裁に対しても、

同じムーブメントを巻き起こしたい…!

そうした波は着実に起こりつつあります。

 

街頭で守大助さんの無実を訴える宣伝をしていると、

“ちょっと読ませてください”と、

進んでビラを取ってくれる若い人が増えています。

引き続きできるだけ分かりやすく、

身近に、カジュアルに(これは実現できてないかな…)、

大助さんのことや冤罪のこと、

日本の刑事司法のことを伝えていきたいと思います。

 

あっ…大事なことを書き忘れていました。

村井教授の講演の内容は

“冤罪・再審事件の現状と問題

〜疑わしきは被告人の利益が実践されているか”です。

 

“疑わしきは被告人の利益”については、

以前にこちらで書きました。

【36】無実の人は無罪に!〜疑わしきは被告人の利益って?〜 - Free大助!

この原則は刑事司法を理解するために、

とても大切なポイントとなっています。

かなり分かりやすく書けたのでは…と自負しています(笑)。

ぜひご一読ください。

 

村井教授、すばらしい講演をありがとうございました!

4月28日、国立市の北多摩西教育会館で。

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【53】“筋弛緩剤事件”とは呼ばないで!

「仙台北陵クリニック筋弛緩剤冤罪事件」。

支援者の間では、この呼称が一般的に用いられています。

 

「東京の会」の正式名称も、

「仙台北陵クリニック・筋弛緩剤えん罪事件

 無実の守大助さんを守る東京の会」ですが、

私は誤ったイメージを拡散させないためにも、

“筋弛緩剤” というワードは外したいと思っています。

そもそも…

事件自体が警察の思い込みでデッチ上げられたモノで、

筋弛緩剤は一滴も使われていません。

 

冤罪のポイントを正しく分かってもらうためにも、

事件のネーミングはとても大切。

だから「北陵クリニック事件」と呼ぶべきです。

何故ならこの事件は、

経営悪化や医療体制の不備といった、

クリニックの特殊性が招いた冤罪だからです。

こうした背景が大きく関係しているので、

やはり「北陵クリニック事件」が正しいと思います。

大助さんの弁護団長・阿部泰雄弁護士も、

まったく同じことを言っています。

マスコミ報道では…

“筋弛緩剤事件” “筋弛緩剤点滴事件” “筋弛緩剤混入事件” 

と呼ばれていますが、いずれもNG。

もっと事件のこと、勉強して欲しいと思います。

 

似たパターンが、

「湖東記念病院人工呼吸器事件」。

当初は人工呼吸器の事故と言われていましたが、

病死の可能性も指摘され再審開始となったためか、

「湖東記念病院事件」と呼ぶのが一般的になっています。

 

名張毒ぶどう酒事件(1961年)は、

(この呼び名が時代を感じさせます。今ならワインですね)

ぶどう酒に毒物が混入されたのは間違いないので、

この呼称はOKかと思います。

 

冤罪事件の名称で多いのが、発生した地名にちなんだもの。

福岡事件、飯塚事件、菊地事件、松橋事件、狭山事件布川事件足利事件、今市事件、日野町事件、小石川事件など…。

現在最高裁で闘っている「大崎事件」は、鹿児島県の大崎町で発生。

首都圏では、

 “山手線の大崎?” という質問を幾度となく受けながら、

支援の環を広げていきました。

事件を知ってもらう会話のツカミとしては、良いかもしれません。

ちなみに鹿児島県の大崎町は大隅半島にあります。

国鉄大隅線というローカル線が走っていましたが、

JRに移行する寸前に廃線になってしまいました。

 

冤罪被害者の名前にちなんだパターンもあります。

袴田事件は、やはりこのネーミングですね!

地名由来で「清水事件」ではピンと来なかったと思います。

元ボクサーという袴田さんのキャラクターに、

“Hakamada” という印象的な響き。

死刑の濡れ衣にノックアウト寸前にされながら、

必死にラウンドを重ね闘うイメージ。

アムネスティやボクシング協会を通じて、

国際的にも知られた冤罪事件になっています。

 

今回は取り留めのない内容になりましたが、

“筋弛緩剤事件”とは呼ばないで!

と訴える運動にもチャレンジしてみたいと思います。

 

1957(昭和32)年の静岡国体に出場した袴田巖さん。

写真は時事通信・配信のニュースより。

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【52】守大助さん47歳に②塀の向こうに便りを送る

千葉刑務所の塀の中で47歳を迎えた守大助さん。

このタイミングに合わせて、

手紙やハガキを送る支援者もたくさんいます。

獄中で無実を訴えている人に “おめでとう!” などと、

書いていいものか、ちょっと迷いますが、

素直にお祝いの言葉をしたためれば、

喜ばれるものです。

刑務所ではメールもSNSもできません。

大助さんと塀の外をつなぐのは、

支援者からの手紙と、月5回の面会だけ。

外からの便りは大きな励ましになります。

 

ここで注意しなければならないのは、

立体的に飛び出すような、

バースデーカードは避けること。

刑務所の判断で、本人に渡せないことがあります。

シールを貼ったり装飾するのもNGです。

万が一シールの下に何か隠しているとか、

あらぬ疑いを持たれるらしいのです。

オーソドックスなハガキか(絵はがきはOK)、

手紙の場合は便箋で送りましょう。

 

再審無罪を勝ち取ったある獄中経験者は、

自分の経験を振り返って、

旅行やグルメ雑誌の差し入れが嬉しかったと言います。

塀の外の私たちは、

自由のない人に、そんなモノ送って大丈夫かな?

と思ってしまいがちですが、

 “たとえばケーキの写真は、

  目で見て美味しさを空想するだけで楽しいんです” とのこと。

その方は自由になった現在、

今度は自分が無実を訴える人々を励まそうと、

各地の刑務所へ面会に行ったり、手紙を出しています。

地方に行った時には観光パンフレットを集めて、

差し入れるようにしているそうです。

へ〜ナルホド!と思いました。

実際に塀の中を経験した方の言葉は重みが違います。

大助さんの気持ちに寄り添うことも、大切な支援活動ですね。

千葉刑務所。

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【51】守大助さん47歳に①

今日は4月28日、守大助さん47歳の誕生日です。

そしてちょうど、昨年結成された

「守大助さんを守る三多摩の会」の2回目の総会でした。

私たち「東京の会」とともに、

大助さんの再審無罪を目指して闘っています。

総会に大助さんが寄せてくれた手紙を全文紹介します。

 

快い春の陽気に、

体の奥から新しい力が沸いてくるように感じます。

皆さんお元気ですか!

本日はお忙しい中「第2回総会」へ参加して下さり、

本当に有り難うございます。

温かく、力強いご支援のおかげで、

仙台高裁・嶋原不当判決に負けず、

無実を訴え叫び闘いつづけています。

感謝の気持ちでいっぱいです。

今回の高裁判断が許されるならば、

無実の人は救われません!

私の貴重な人生の日々を奪っておいて、

デタラメな判断をすることが、

裁判官の仕事ですか?

今回の決定は、無実の訴え・証拠を見ないで

有罪・棄却するという、

裁判官による冤罪を作る犯罪です。

絶対に許されない決定です。

支援者・弁護団が道理を尽くして要求して下さった

「証拠開示・証人尋問」を無視した判断は、

どう考えても不公平!

審理不尽であること明白です。

特別抗告審で真実が照らされると信じて、

がんばって闘います。

今日4/28は私の47歳の誕生日です。

なんとしても40代で、両親の元へ帰りたいです。

今後もどうか、お力添えをお願いいたします。

無実の守大助

 

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