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「北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【28】冤罪「松橋事件」やはり検察は特別抗告(怒)

■検察は“司法マフィア”か?

前回紹介した「松橋事件」。12月4日、やはり検察は特別抗告しました!!!!(怒)

これにより宮田浩喜(こうき)さんの再審を開始するか、舞台を最高裁判所に移して、三たび協議が行われることになります。今はとにかく、最高裁が検察の抗告を速やかに退けて、再審が実現することを願うばかりです。

 特別抗告の前日に配信された、毎日新聞の記事を紹介します。

特別抗告ができるのは、高裁決定が憲法判例に違反している場合に限られる。福岡高検は、再審請求審で弁護団が提出した凶器と傷の不一致を指摘した鑑定書などが「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と言えず、こうした新証拠を発見した時に再審開始を認めてきたこれまでの判例に違反するとの意見を最高検に伝えたとみられる。

この記事からわかるのは今回の特別抗告には最高検察庁、つまり検察のトップがゴーサインを出したということ。宮田さんの無実を裏付ける証拠を隠しておいて、一体どういうつもりで特別抗告をするのか…(怒) 抗告の理由も、言いがかりに等しいものでしかありません。

 実はこういうことは、決して珍しくありません。たとえば「袴田事件」。

2014年3月、袴田巖さんが約半世紀ぶりに自由の身になりました。静岡地方裁判所警察のデッチ上げ捜査を、“堪えがたいほど正義に反する” と断罪した上で、再審開始を決定しての釈放でした。

“袴田さん良かった!一件落着” とお思いの方も、多いかもしれません。実は…そうじゃないんです。袴田さんは、未だに “死刑囚” のままなんです。何故なら、検察が再審開始に即時抗告したから。

これを受け東京高等裁判所で協議が行われており、今年度中に再審開始の可否が出される見通しです。そんなことはないと願いたいのですが、万が一、再審開始決定が取り消されたら袴田さんは再び拘置所に収監され、いつ死刑が執行されてもおかしくない状況に…。

 くり返しますが、裁判所が “堪えがたいほど正義に反する” と断罪したほど(なかなか裁判所はここまで踏み込んだ表現はしません)無実が明らかな袴田さんを再び死刑台に送ろうとする…。もはや狂気の沙汰としか、言いようがありません。

 検察にとっては、一度有罪にした人が無罪になることの方が、“堪えがたいほど正義に反する” のでしょう。公益の代表者という任務を放棄し、自分たちのメンツを守ることに権力を行使する検察は、日本の司法に救う組織犯罪集団。“司法マフィア” とでも呼ぶべきです。

 他にも「名張毒ぶどう酒事件」など(この事件についても、改めて書きたいと思います)、検察のヨコヤリによって再審が阻まれた事例は、少なくありません。

次回は「大崎事件」を例に、検察の抗告が何故ダメなのか、法律的な視点も交えながら明らかにしていきます。

 

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 最高検察庁のホームページ(スクリーンショット)。ぜひアクセスして、検事総長の挨拶を読んでください。一体どのツラを下げて言っているのか…とツッコミたくなること間違いナシです。