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「北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【89】再審無罪までもう一歩!!「松橋事件」検察の態度に注目

■宮田さんは85歳、命あるうちに無罪を!!

先週は600以上ものアクセスをいただき、ありがとうございました!! 

TBSテレビ『1番だけが知っている』で「松橋(まつばせ)事件」が取り上げられた影響が大きかったようです。

 その「松橋事件」、あとは熊本地方裁判所での再審公判を待つのみとなりました。日本での “再審開始” は、ほぼ “無罪” を意味します 。冤罪を主張している事件で再審を開いたものの有罪が覆らなかった…という事例は、私が知る限りありません。

99.9%という有罪率を誇る(いや、誇りではない)、日本の裁判において、最高裁までが再審開始を支持したということは、もう無罪以外ないということでしょう。

事件発生から33年。逮捕当時50代前半だった宮田浩喜(こうき)さんは85歳となり、脳梗塞認知症を患っています。本当に一刻の猶予もありません。何としても命あるうちに無罪判決を!!

 

■検察は再審公判で何を主張するか?

「松橋事件」の再審無罪が間違いない(終わるまで安心できませんが)となると、あとは検察がどんな態度に出るか? ぜひ注目いただきたいと思います。

 これまで検察は2度にわたって、再審開始を妨害してきました。

2012年3月 熊本地裁に再審請求

2016年6月 熊本地裁、再審開始決定→検察は即時抗告※(怒)

2017年11月 福岡高裁、再審開始決定を支持→検察は特別抗告※(怒)

2018年10月 最高裁、再審開始決定を支持→ようやく熊本地裁で再審公判へ

※即時抗告=地裁の決定を不服として高裁に抗告すること。特別抗告=高裁での決定を不服として最高裁に抗告すること。このようなバカな権限は検察から取り上げるべきです。

せめて再審公判ではこれまでの愚行を悔い改め、一刻も早く無罪判決が出るよう協力して欲しいと思います。冤罪は国家権力による人権蹂躙です。ならば冤罪被害を受けた方の名誉回復も、国家権力が率先して行うべきです。その担い手が検察であることは、以前も書きました。

【46】検察官こそ再審請求を!〜内田博文教授の講演録から〜 - Free大助!

しかし残念ながら近年の再審無罪の事例を見る限り、検察に多くは期待できないでしょう。

 

■「布川事件」と「東住吉事件」の検察の開き直り

例えば「布川(ふかわ)事件」。

1967年に発生した強盗殺人事件の犯人とされた桜井昌司さんと杉山卓男さんは、無期懲役で収監された後、2011年5月に再審無罪を勝ち取りました。

強引な自白、目撃証言のねつ造、無実の証拠の隠蔽など “冤罪のデパート” と呼ばれた事件ですが、検察は再審公判においても “自白は信用できる” などといった論告を3時間にわたって読み上げ、改めて無期懲役を主張。そのあまりのバカバカしさに桜井さんは “ご苦労さん” と拍手を送ったほどです。

そして2016年8月に再審無罪を勝ち取った「東住吉事件」。

1995年、自動車のガソリン漏れによる火災で長女を失った青木恵子さんは、内縁の夫・朴龍皓さんとともに、放火犯というありもしない濡れ衣を着せられ無期懲役に。弁護団が決死の再現実験を行い、警察が単なる事故を放火事件にデッチ上げたことを明らかにし、再審開始につながりました。

とくに “7リッターのガソリンをまいて、ターボライターで火をつけた” という自白どおりの犯行方法を再現したところ大爆発が発生。これでは放火した人間が焼死してしまい、犯行など不可能なことが証明されたことは、裁判所に大きなインパクトを与えたようです。

この事件の再審公判でも検察は、“有罪の主張はしない” “裁判所に判断をゆだねる”と曖昧な態度に終始し、最後まで無罪を認めようとしませんでした。

逮捕から再審無罪を勝ち取るまで、青木さんの闘いを追った1冊。平易で読みやすい文章ながら、とても想いが伝わって来ます。

 

 「布川事件」「東住吉事件」ともに、警察のズサンな捜査と検察のデタラメな起訴が引き起こした冤罪であることは明らか。にもかかわらず検察は “裁判所が無罪判決を出したけど、俺たちは今でも彼等が犯人だと思っている” と、開き直っています。桜井さんと青木さんは、そんな警察・検察の責任を追求するため、国家賠償請求を起こして闘っています。本当に応援しています!!

しかし「松橋事件」の宮田さんは、お2人のように国賠を起こす体力が残っていません。ともに再審を闘ってきたご長男の貴浩さんは2017年9月、病気のため61歳で亡くなりました。高齢の父の再審の行方を気にかけたままの他界、どんなに無念だったことでしょう。貴浩さんが生前、新聞の取材に語ったコメントを紹介します。

「捜査に当たった警察、検察の関係者も、父と同じ期間を刑務所で過ごして欲しい。そうでなければ冤罪はなくならない」(2016年7月1日、毎日新聞

 検察はいつまで愚行蛮行を繰り返すのか? 引き続き厳しい目を注いでください。

 

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