Free大助!ノーモア冤罪!

「北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【70】守大助さんからのメッセージ

前回紹介した「今市事件」の勝又拓哉さんへの不当判決

東京高裁の法廷では何と…

判決理由の読み上げが5時間近く続いたそうです。

勝又さんはその間、臆することなく裁判官を凝視し続けたそうです。

今回はこの判決がいかにヒドいものか書こうと思っていたところ、

守大助さんから手紙が届きましたので、予定を変更して紹介します。

(今市事件は意味不明の判決要旨を読むだけで頭がオカシくなりそう。もう少し時間をください)

では以下より大助さんのメッセージ、一部を抜粋して紹介します。

 

最高裁が本当に最高の仕事をしてほしいものです。

冤罪で人生をメチャメチャにされているのです!

そのことを知ってもらいたい。

やっていないから、私は無実を訴え、

無期懲役が)確定しても、こうやって再審請求しているのです。

それを裁判官という人は、どう思っているのか?

無実の訴えを無視、無実の証拠を無視することが、

日本の刑事裁判官のやることなのでしょうか!

黒い法服を着ると、なんでも許されてしまうと思っているのでしょうか。

誤判しても罰せられないからでしょうネ。

裁判所の改革が一番必要です。

 

以上です。

大助さんの無期懲役が確定し、

千葉刑務所に収監されたのは2008年8月。

もうそれから10年になります。

面会した時、

“ちょうど北京オリンピックの年だった” と言っていました。

それからロンドン、リオと2度のオリンピックを経て、

2020年の東京は、絶対に塀の外で観戦できるよう、

支援者・弁護団と力を合わせて闘っていきたいです。

大助さんも “40代のうちに出る!” という決意とともに、

塀の中で闘っています。

奇しくも2020年、大助さんは49歳の誕生日を迎えます。

 

相変わらずシッカリしたキレイな字で書かれている。

字のヘタな私は見習わねば…。

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【69】今市事件、裁判崩壊さらに進む

8月3日(金曜日)、東京高等裁判所は、「今市事件」で無実を訴える勝又拓哉さんの声を退け、無期懲役を宣告しました。

 

「今市事件」の概要については、一番下に添付したパンフをご覧ください。

とても分かりやすくまとめられていますので。

ここでは簡単に冤罪のポイントを紹介します。

①“凶器”がない。

 勝又さんが犯行に使った “凶器” とされる、

 ナイフやスタンガンが裁判に提出されていません。警察が勝手にシナリオをデッチ上げ、自白を強要したとしか思えません。

 守大助さんの事件もそうですが、重要な証拠であるハズの凶器が出てこないのは、多くの冤罪事件に共通して見られるパターンです。

②犯行を行った証拠がない。

 勝又さんの自白では “被害者の女児を立たせて、その右肩を左手でつかみ、右手で10回刺した”。とされています。

わざわざ立たせて片方の手でつかんで刺すって…? 

 何故そんな面倒なコトをするのでしょうか?警察はオカしなシナリオを考えたモノです。

 (空想でデッチ上げられた)犯行方法が不自然というのも、多くの冤罪事件に共通するパターンです。

 さらに勝又さんは “わいせつ行為” をしたコトになっていますが、被害女児の遺体から行為を示すDNAは検出されていません。

“勝又さんの部屋から被害女児の遺体らしき映像が見付かった”という報道もあましたが、完全なガセらしいです。

 “勝又さん=犯人” という印象を拡散させるため、警察がリークしたウソを一部のメディアが垂れ流したのでしょう。こうしたネガティブな印象捜査が行われるのも、多くの冤罪事件に共通して見られること。

要は犯人であることを裏付ける証拠がないから、ワルい奴というレッテルを張ってデッチ上げればいいや…ということです。

たとえば「今市事件」と同じ栃木県で、女児が犠牲になった冤罪「足利事件」。“犯人” とされた菅家利和さんが逮捕された当初、菅家さんはロリコンマニアだという報道がされましたが、

これも完全なガセです。

 

勝又さんのお母さんによると、小学6年生の時に台湾から日本にやって来た勝又さんは、学校にも溶け込めず不登校になっていったそうです。

そしてお母さんが偽ブランド品の販売に手を出してしまい、勝又さんが商品情報をコンピューターに入力する作業を手伝うようになったことから、“引きこもってコンピューターをイジるアヤしい奴”と、警察に目を付けらてしまったようです。

地域から孤立した弱者が凶悪犯に仕立て上げられてしまうのも、冤罪が生み出される典型的なパターンです。

 

さらに許されないが検察の「訴因変更」。これまで紹介したように、勝又さんが犯人でないことが明らかになるにつれて、検察は有罪の立証が困難になってきました。

そこで犯行場所を “栃木県か茨城県内、またはそれら周辺” とボカすなど、当初の起訴内容を大幅に変更したいと申し出てきたのです。

これが「訴因変更」、検察の事実上の「白旗」です。

刑事裁判の鉄則として、検察が有罪を立証できない場合、裁判所は「無罪」を言い渡さなければなりません。

いわゆる “疑わしきは被告人の利益” です。

以前にも書きましたので、こちらをご一読ください。

【36】無実の人は無罪に!〜疑わしきは被告人の利益って?〜 - Free大助!

なのでこの事件は速やかに無罪になるべきです。しかし東京高裁は検察の訴因変更をスンナリと認め、“とにかく勝又さんが犯人だ” と有罪・無期懲役にしてしまったのです。

 

たとえばボクシングの試合を考えてみましょう。一方の選手が顔面にパンチを受けすぎて、

このままではKO負けになるのが明らか…となったとします。

しかしその選手は売り出し中のスター候補生。

どうしても勝たせたい主催者とプロモーターは相談します。

“次のラウンドからは顔面パンチを禁止にして、

 ボディ(腹)しか打てないようルールを変更しよう!”

仮にボクシングでこんなコトが行われたら…いや、そもそもこんなアホなコトをやるハズがありませんよね。そのアホなことが平然と行われているのが、刑事裁判の法廷なのです…。

 

東京高裁は6月には、袴田巖さんの再審請求を棄却したばかり。

日本の刑事裁判は、もはや無法地帯です。

今後もトンでもない手法で、多くの冤罪が生み出されるでしょう。その先頭に立っているのが他ならぬ裁判所であることを、私たちはシッカリ認識しておかなければなりません。

 

今市事件のパンフレット。とてもよく書かれていますので、ご一読ください。

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【68】最高裁要請、行ってきました!!

今日は最高裁判所に、

守大助さんの再審開始を求める要請に行ってきました。

他の冤罪事件との統一要請というカタチで、

私は5月に続いて2回目の参加となりました。

前回の様子や “そもそも最高裁要請とは?”

については、こちらをご覧ください。

daisuke0428.hatenablog.com

東京のほか、神奈川と茨城からも支援者が駆けつけ、

それぞれに大助さんの再審開始を訴えました。

私が強調したのは、証拠に基づいて決定を出して欲しいこと。

このブログでも何度か指摘していますが、

奇妙なことに大助さんの事件では、

有罪の根拠とされる重要な証拠がほとんど開示されていません。

筋弛緩剤の成分が出たという警察の鑑定データも、

鑑定を行ったことを証明する受渡簿も、

犯行に使われたと “される” 筋弛緩剤の空容器も…。

千葉刑務所に面会に行く度に、大助さんは訴えます。

「何故、裁判所は検察に証拠開示を命じないのか。

僕は “ないもの” を出せと言っているのではない。

検察が “ある” と主張しているものを開示して欲しいという、

ごくアタリマエのお願いをしているに過ぎない」

そんな大助さんの切実な声を、本人に代わって伝えてきました。

対応してくれたは前回と同じく上席書記官のセキグチさん。

相変わらずポーカーフェイスなので、どこまで通じているのか…?

 

しかし私たちがするべきは、

大助さんが無実という世論を広げると同時に、

最高裁にできる限り多くの声を集中させること。

最高裁は「東京の会」の地元ですから、

なおさら活動に力を入れなければなりません。

 

要請には湖東記念病院事件の西山美香さんも、

滋賀県から駆けつけました。

 

昨年12月20日に大阪高裁で再審開始決定が出たこと。

それがとても嬉しかったこと。

しかし5日後に検察が特別抗告をしたため、

最高裁での闘いを強いられ、

とても不安な毎日を過ごしていること。

一通り自分の想いを訴えた西山さんは最後に、

“他の事件のことも考えて欲しい。お願いします” と、

締めくくりました。

自分のコトだけでも大変なハズなのに、

他の冤罪仲間ことも気にかけている…。

訴えを聴いていて涙が出そうになりました。

本当に頭が下がる想いです。

 

湖東記念病院事件の概要は、こちらをご覧ください。

【30】クリスマスの日、守大助さんに面会してきました! - Free大助!

 

いつ、どんな決定が出るか予断を許さない状況ですが、

最高裁での闘う冤罪事件に引き続き、ご注目ください!!

 

西山美香さん(中央)。昨年12月20日、大阪高裁の再審開始直後の様子。右は冤罪・東住吉事件の青木恵子さん。(写真は日本国民救援会HPより)

 

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【67】やはり出た…デタラメ報道(怒)

31歳の元看護師さんが逮捕された大口病院事件、守大助さんの支援者の間では、冤罪かは断言できないものの、“報道が大助さんの逮捕当初にソックリだね” という声が上がっています。

 前回のブログで、

【66】オカしな報道には抗議をしましょう! - Free大助!

“似た事件として、大助さんが取り上げられたら嫌だなあ”と書いたところ、懸念した通りの記事が出ました。

diamond.jp

上記リンクをご一読ください。 

一応、大助さんは冤罪を主張していると断っているものの、全編を通して警察の言い分を垂れ流すデタラメな内容です。一つひとつ反論していたらキリがないので、特にヒドいと感じた2ヵ所を指摘しておきます。

 

(①自白について)

意外に知られていないが、守受刑者は逮捕前の任意聴取で容疑を認めていた。当初、逮捕容疑以外にも「誰でもよかった」「他の患者にも筋弛緩剤を投与した」などと述べ、動機についても「クリニックでの待遇に不満があった」と具体的に供述。日頃から賃金面やクリニックの経営方針について、家族に不満を漏らしていたとされる。

大助さんは “容疑を認めていた” のではありません。朝8時30から取調室に監禁され、

“やっぱりオマエしかいなんだ!” と刑事に迫られても、“やっていない” と否認を貫いていました。しかし“他のナースとでも言うのか!” と、

同じく任意同行で調べられていた同僚看護師(※)の逮捕をほのめかされ、

※同僚看護師は大助さんの婚約者だった

夜8時過ぎになってやむなく自白させられたのです。家族や恋人の名前を出して自白を迫る警察の取り調べ方法は、冤罪を生む温床と言われています。また大助さんのお父さんも、宮城県警の警察官(※)でした。

※交通機動隊

そんな家庭環境もあり、大助さんは警察を信頼していました。 “捜査をやり直してくれれば、無実であることが分かってもらえるだろう”と、自白してしまったのです。

また動機とされる不満は、大助さんは一切持っていなかったと言います。“守大助=凶悪犯” という印象を持たせるために警察がウソを垂れ流し、それを裏を取らずにマスメディアが拡散させたものです。

 

(②弁護士の存在について)

風向きが変わったのは逮捕から4日後。「とにかく無罪を主張する」(宮城県警元幹部=事件当時)という阿部泰雄弁護士と接見してからだ。元幹部が「ミスター無罪」「あのお方」などと揶揄(やゆ)して呼んでいた阿部弁護士は、証拠の不備を突く名手で、仙台地裁では同時期、阿部弁護士が担当した事件で無罪判決が相次いでいた。 

(中略)

神奈川県警特別捜査本部の懸念は「仙台の事件のように、ややこしい方(弁護士)が出てこないかだ」という。

弁護士は黒を白と主張する詐欺師だと言わんばかりの、本当にヒドい書きぶりです。阿部弁護士も最初は大助さんが犯人だと思って接見したと言います。

しかし具体的にどう筋弛緩剤を投与したのかなど、いろいろ質問しても大助さんが答えられなかったことから、冤罪の疑いを抱いて “やっていないなら否認しなさい” と、アドバイスしたに過ぎません。

宮城県警元幹部の「とにかく無罪を主張する」と言う主張こそ、悪質な言いがかりであり、厳しく断罪されるべきです。

警察がズサンな捜査を行い、大助さんを犯人にデッチ上げるために、証拠をねつ造した疑いが強く持たれていることは、この記事では一切スルーされています。

さらに執筆者の「戸田一法:事件ジャーナリスト」なる人物、検索をかけてもヒットするのはこの記事だけ。プロフィール等が一切出てきません。警察の飼い犬になったどこかの記者が、

適当なペンネームを語っているのかもしれません。配信元のダイヤモンド社には、抗議のメールを送りました。

 一方で、こんなことも感じさせられました。

“たとえば袴田さんの事件だったら、こんなデタラメ記事が出るだろうか?”

北陵クリニック事件が冤罪であり、守大助さんが無実であるという認識が、まだ社会に広まっていないのだと反省させられます。

 

冤罪・布川事件で29年を獄中で過ごした桜井昌司さんは、「すべての裁判官、メディアを味方にしよう!」と運動を展開し、再審無罪を勝ち取ったと言います。

戸田一法 のような記者さんにも“守大助は無実だ” という記事を書いてもらえるよう、引き続き声を上げ、情報を発信し続けます!

宜しくお願いいたします。

 

最高裁への署名用紙が完成しました。これからガンガン集めます。

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【66】オカしな報道には抗議をしましょう!

ヤフーニュースで、こんな速報が配信されました。

横浜市の病院で2年前にあったとされる院内中毒死で、

看護師を逮捕するという、朝日新聞の記事です。

“7日にも逮捕する方針を固めた”

“捜査関係者への取材でわかった”

典型的な警察リークの可能性がある記事です。

横浜・大口病院の連続中毒死、看護師を殺人容疑で逮捕へ(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 

朝日新聞は17年前、守大助さんの事件の時も、

警察がリークするデタラメ情報を記事にし、

大助さんを“恐怖の筋弛緩剤点滴魔”にデッチ上げる報道を行いました。

今回も蛮行をくり返すのか、他社の報道も含めて注視してください。

センセーショナルな報道が繰り広げられることも、予想されます。

決してそれを鵜呑みにしないでください。

 

もしかすると“過去にこんな事件もあった”として、

大助さんの北陵クリニック事件が紹介されるかもしれません。

そんなバカな報道があった時には、

黙っておらず抗議の声を上げましょう!

(私もそうします)

大抵のメディアのサイトは、

メールなどで意見を投稿できるようになっているハズ。

 

昨日は死刑執行をリアルタイムで、

まるでショーのように報じるテレビ局もありました。

メディアの異常を糾すのも、私たちです。

声を上げ続けましょう!

 

 朝日新聞を筆頭に、この狂気の報道を忘れてはなりません。

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朝日新聞を筆頭にした、狂気の報道を忘れてはなりません。

 

【65】守大助さんのメッセージ

遅くなりましたが、5月の守大助さんのメッセージを紹介します。

阿部泰雄弁護士を通して、全国の支援者にFAXされたものです。

 

闘いの舞台は、最高裁へ移りました。特別抗告審で!!

「差し戻し」させるため、私は無実を訴え闘います。

絶対に筋弛緩剤を混入していません。無実です。

全国の皆さん、今後もどうかご支援を宜しくお願い致します。

汗ばむほどの陽気が、夏の近いことを知らせています。

いかがお過ごしでしょうか。いつも街頭宣伝、署名活動、学習会を

していただき、本当に有り難うございます。

仙台高裁・嶋原不当決定後も、皆さんから励ましのお便りが届き、

心強くなりました!!

4月の誕生日には、お祝金、Birthdayカード、寄せ書きをいただきまして、

感謝の気持ちでいっぱいです。“47歳”なんとか40代で看護師として

社会復帰したいです。負けずに無実を訴え叫びつづけます。

最高裁での闘いは、短期間だと思います。最高裁が名ばかりでなく、

最高の仕事をしてほしい。最低裁判所とならないよう、皆さんで!

監視していて下さい。本件は筋弛緩剤事件ではありません。

A子ちゃん急変時に、郁子医師が医療器具による気道確保で2度失敗。

状態が悪化(※)したのは、このミスがあったからです。その事実を隠し、

筋弛緩剤事件が作られたのです。このことを!どうか忘れないで下さい。

私はやっていません。両親が元気な内に帰りたいです。

全国から最高裁へ「再審開始」の風を吹かせて下さい!!

勝利するため、皆さんのお力をお貸し下さい。助けて下さい。

2018年5月 無実の守大助

※A子ちゃんの症状は難病「ミトコンドリア病メラス」であることがほぼ明らかになっている。

 

2008年に千葉刑務所に収監されて10年、

47歳になった大助さんは“40代で絶対に出たい”と訴えています。

昨年面会した時、“2008年はちょうど北京オリンピックの年だった”

と言っていました。

それからロンドン、リオと2度のオリンピックの間も塀の中

「東京」が開催される2020年、大助さんは49歳になります。

東京オリンピックは絶対に塀の外で観戦できるよう、

支援活動に一層力を入れていきます。

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【64】“DNA鑑定の捏造ですか?簡単にできますよ”

1年ちょっと前のブログに、こんな記事をアップしました。

daisuke0428.hatenablog.com

昨年3月に千葉県松戸市で起きた女児殺害事件の報道が、

守大助さんの「北陵クリニック事件」の報道にソックリだと書きました。

それから1年ちょっと経った現在、

この事件の被告・渋谷恭正さんの裁判員裁判が結審しました。

検察は「死刑」を求刑し、7月6日に判決が言い渡されます。

 

★これから書くことについて誤解のないよう、

最初にお断りしておきます。

私は “渋谷さんは無実” とか “この事件は冤罪だ” と言うつもりはありません。

一度も裁判を傍聴していませんし、

現場に取材に行ったわけでもありませんから…。

 

★ただひとつ、断言しておきたい。

“渋谷さんを犯人と決めつけ、吊るし上げる報道は異常です!”

たとえば千葉日報(いずれも6月15日配信の記事の見出し)

●行方不明「親の責任」渋谷被告、遺族逆なで

●リンさん父「我慢できない」会見で怒り

●リンさん父「犯人に死刑を」

日刊ゲンダイ」に至っては…

●「松戸リンちゃん殺害 残忍すぎる鬼畜男は死刑になるのか?」

 

いずれの記事も、

警察か被害女児のお父さんのハナシをもとに書かれているようです。

その一方で、渋谷さんや渋谷さんの弁護団に取材をした形跡は、

ほとんど読み取れません…。

渋谷さんは “やっていない” と無実を主張しているのです。

だったら渋谷さんサイドにも取材をして、

その言い分を伝えるのがメディアの使命じゃないでしょうか。

 

しかも書かれている内容と言えば、

 “被告を極刑に” という論調ばかり。

無実を主張する被告人を寄ってたかって “死刑にしろ!”

と言わんばかりのヒステリックな報道には戦慄するばかりです。

守大助さんの逮捕当初のセンセーショナルな報道が甦ったようで、

吐き気さえ覚えます。

 

渋谷さんを犯人とする根拠は警察のDNA鑑定です。

ならば試料がいつ、どのように採取され、

どんな方法で鑑定が行われ、

どんなデータが検出されたのか…。

そして鑑定は適切に行われたのか…。

検証した報道は見当たりません。

渋谷さんサイドは “DNA鑑定は捏造された” と主張しています。

 

今回もDNA鑑定を行ったのは、警察の科捜研。

科捜研が公正中立とは程遠い組織であることは、

このブログで度々指摘してきました。

守大助さんの鑑定は捏造が強く疑われていますし、

死刑が執行されてしまった「飯塚事件」では改ざんが明らかになっています。

(こちらをお読みください)

【34】iPS論文データ改ざんと冤罪の構図 - Free大助!

今回の事件についても本当に捏造がないか、

メディアは検証すべきではないでしょうか。

 

最近、ある法医学者の講演を聴く機会がありました。

その方はDNA鑑定のエキスパートでもあり、

数々の冤罪事件の救済に活躍されてきました。

講演終了後の質疑応答で、

参加者が、こんな質問をしました。

“DNA鑑定を捏造することは可能ですか?”

先生はこのように即答しました。

“簡単にできます!でも方法は言えません。

マネされると困りますから”

 

最後にもう一度念を押しますが、

私は渋谷さんが犯人なのか無実なのか判断できませんし、

今回の鑑定を捏造と決めつけているわけでもありません。

しかし…

渋谷さんの主張を、単なる虚言と切り捨てることもできないのです…。

 

メディアは狂っている!この見出し、一瞬目を疑いました。

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