Free大助!ノーモア冤罪!

「北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【34】iPS論文データ改ざんと冤罪の構図

報道でご存知かと思いますが、

京都大学iPS細胞研究所の論文で、

データの改ざんが見付かりました。

改ざんを行った助教授は

「論文の見栄えを良くしたかった」と、

不正行為に至った理由を語ったといいます。

 

これって…冤罪が生まれる構図とウリ2つです。

その温床となっているのが、

科学捜査研究所」通称「科捜研」(かそうけん)

全国各地の警察本部に置かれた、

DNA鑑定などの科学的な分析を行う専門機関です。

“科学捜査” というからには、そのシゴトには

中立性が担保されなければならないハズですが、

時として鑑定データの改ざんが行われ、

無実の人を犯人にデッチ上げる道具に使われています。

 

たとえば「飯塚事件」。

これは1992年に福岡県で発生した幼女誘拐殺人事件。

“犯人” とされた久間三千年(くまみちとし)さんは、

逮捕から一度も自白することなく、

一貫して無実を訴えたまま死刑が確定し、

2008年に福岡拘置所で、絞首刑が執行されました!

 

久間さんを有罪にした柱は、

警察がデッチ上げたとしか思えないイイ加減な目撃証言と、

“被害者女児に残されていたDNAと、久間さんのそれが一致した”

という科捜研の鑑定でした。

しかし現在では1990年代当時のDNA鑑定は精度が低く、

とてもアテにできる代物ではないことが分かっています。

 

1990年に栃木県で発生した「足利事件」では、

飯塚事件」と全く同じDNA鑑定が用いられました。

そして2009年、最新鋭の方法で鑑定をやり直したところ、

“犯人”とされた菅家利和さんの潔白が証明され、

再審・無罪を勝ち取ることができました。

 

同じDNA鑑定で一方は無罪、一方は死刑…。

飯塚事件」は久間さんの遺志を継いで、

ご遺族が再審請求を闘っていますが、

その過程でトンでもないことが明らかになりました。

科捜研による鑑定写真のネガを精査したところ、

久間さんのモノではない第三者(真犯人の可能性)のDNAが、

ハッキリと写っていたのです。

そして裁判には、この部分が切り取られて提出されていたのです!!!!!

つまり久間さんは改ざんしたデータを基に、

命を奪われてしまったわけです。

 

科捜研は先ほど書いた通り、警察の一機関。

 捜査サイドの意向から、自由・中立で居られるでしょうか?

“論文の見栄えを良くしたかった” iPSの助教授のように、

“この人を犯人にしたかった” と、

鑑定データの改ざんが行われても、おかしくありません。

もちろん公正・中立を貫き通す鑑定人もいるとは思いますが、

プレッシャーは相当なモノでしょう。

 

そして守大助さんの「北陵クリニック事件」。

大助さんを有罪・無期懲役としている柱は、

やはり科捜研の鑑定。

“5人の患者の点滴液、尿、血液から、

 筋弛緩剤の成分が検出された”

というモノですが、

これがとてつもなくアヤしいんです。

詳細は改めて紹介しますが、

阿部泰雄弁護士はじめ大助さんの弁護団は、

“科学を公正に見れば、必ず無実が証明される”

と再審請求を闘っています。

引き続き、ご注目ください!

 

 飯塚事件」を知るなら、この1冊。ちょっと難しいですが、冤罪のポイントが網羅されています。

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