【8】加計・森友どころじゃない!検察の“ご意向”
守大助さんを有罪・無期懲役としている根拠は、大きく3つあります。
①警察が試料(5人の患者さんの血液、尿、点滴液)を鑑定したら、
筋弛緩剤の成分が検出された。
②“犯行”に使われた筋弛緩剤の空容器(計19本)が押収されている。
③大助さんは逮捕当日(2001年1月6日)、1件の“犯行”を自白した。
(自白は3日後に撤回。他の4件については一貫して否認)
これだけ見れば “やっぱり犯人じゃないか” と思うかもしれません。
しかし一つひとつ検証していくと…。
①裁判に提出された鑑定書は “検出された” という結論だけ。
それが本当に筋弛緩剤の成分なのかを裏付けるデータや、
分析のプロセスは一切明らかにされていません。
鑑定は宮城県警でなく、大阪府警の科学捜査研究所が行いました。
分析装置がここにしかなかったからだそうです。
となると大阪へ試料を届けた際の「受け渡し簿」をはじめ、
手続きごとに作成した書類もいろいろあるハズですが、
1通も提出されていません。
つまり鑑定を行ったことを裏付けるモノが、何もないのです。
②提出されているのは、何と写真だけ!
空容器の現物は存在が確認されていません。
しかも写真は5本、6本、8本と3枚に分けて、
1本ごとの製造番号が裏側に隠れた状態で撮影されています。
③の自白については、後日項を改めて書きたいと思います。
伝えたいことが多いので。
以上の証拠は、すべて検察が保管しています。
しかし弁護団や私たち支援者が「開示して欲しい」と言っても、
「必要ナシ」と拒否し続けています。
裁判所も検察に同調するかのように「必要ナシ」を繰り返しながら、
大助さんの有罪を維持してきました。
なぜ検察は、鑑定データや空容器の開示を拒むのか?
開示すると何か都合のワルいことがあるから…としか思えません。
現在、国会では加計やら森友やらで紛糾しています。
政府の対応は本当に醜いかぎりですが、
検察や裁判所はもっと悪辣です。
ひたすら証拠の開示を拒み、
無実の(可能性が高い)人を塀の中に閉じ込め続けているのですから。
日本の刑事司法において、
検察の持つ権力は強大です。
だからこそ説明責任はキッチリ果たすべきです。
最後に、大助さんから聞いた無念の言葉を紹介します。
「僕が開示を求めている証拠は、
いずれも警察や検察が“ある”と主張しているモノ。
“ない”モノを出せと言ってるワケじゃないのに、
何故それができないんだ?」