Free大助!ノーモア冤罪!

「北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【53】“筋弛緩剤事件”とは呼ばないで!

◆筋弛緩剤が使われてないのに“筋弛緩剤事件”

「仙台北陵クリニック筋弛緩剤冤罪事件」。支援者の間では、この呼称が一般的に用いられています。

 「東京の会」の正式名称も、「仙台北陵クリニック・筋弛緩剤えん罪事件・無実の守大助さんを守る東京の会」ですが、私は誤ったイメージを拡散させないためにも、“筋弛緩剤” というワードは外したいと思っています。

そもそも…事件自体が警察の思い込みでデッチ上げられたモノで、筋弛緩剤は一滴も使われていません。冤罪のポイントを正しく分かってもらうためにも、事件のネーミングはとても大切。だから「北陵クリニック事件」と呼ぶべきです。

何故ならこの事件は、経営悪化や医療体制の不備といったクリニックの特殊性が招いた冤罪だからです。こうした背景が大きく関係しているので、やはり「北陵クリニック事件」が正しいと思います。

大助さんの弁護団長・阿部泰雄弁護士も、まったく同じことを言っています。マスコミ報道では…“筋弛緩剤事件” “筋弛緩剤点滴事件” “筋弛緩剤混入事件” と呼ばれていますが、いずれもNG。もっと事件のこと、勉強して欲しいと思います。

 似たパターンが、「湖東記念病院人工呼吸器事件」。当初は人工呼吸器の事故と言われていましたが、病死の可能性も指摘され再審開始となったためか、「湖東記念病院事件」と呼ぶのが一般的になっています。

◆冤罪事件のネーミングのバリエーション

 「名張毒ぶどう酒事件(1961年)(この呼び名が時代を感じさせます。今ならワインですね)、ぶどう酒に毒物が混入されたのは間違いないので、この呼称はOKかと思います。

 冤罪事件の名称で多いのが、発生した地名にちなんだもの。福岡事件、飯塚事件、菊地事件、松橋事件、狭山事件布川事件足利事件、今市事件、日野町事件、小石川事件など…。

現在最高裁で闘っている「大崎事件」は、鹿児島県の大崎町で発生。首都圏では “山手線の大崎?” という質問を幾度となく受けながら、支援の環を広げていきました。事件を知ってもらう会話のツカミとしては、良いかもしれません。ちなみに鹿児島県の大崎町は大隅半島にあります。国鉄大隅線というローカル線が走っていましたが、JRに移行する寸前に廃線になってしまいました。

 人名にちなんだパターンもあります。袴田事件は、やはりこのネーミングですね!地名由来で「清水事件」ではピンと来なかったと思います。元ボクサーという袴田さんのキャラクターに“Hakamada” という印象的な響き。死刑の濡れ衣にノックアウト寸前にされながら、必死にラウンドを重ね闘うイメージ。アムネスティやボクシング協会を通じて、国際的にも知られた冤罪事件になっています。

 今回は取り留めのない内容になりましたが、“筋弛緩剤事件”とは呼ばないで!と訴える運動にもチャレンジしてみたいと思います。

1957(昭和32)年の静岡国体に出場した袴田巖さん。写真は時事通信・配信のニュースより。

f:id:daisuke0428:20180430223102j:plain

 

 

 

【52】守大助さん47歳に②塀の向こうに便りを送る

千葉刑務所の塀の中で47歳を迎えた守大助さん。

このタイミングに合わせて、

手紙やハガキを送る支援者もたくさんいます。

獄中で無実を訴えている人に “おめでとう!” などと、

書いていいものか、ちょっと迷いますが、

素直にお祝いの言葉をしたためれば、

喜ばれるものです。

刑務所ではメールもSNSもできません。

大助さんと塀の外をつなぐのは、

支援者からの手紙と、月5回の面会だけ。

外からの便りは大きな励ましになります。

 

ここで注意しなければならないのは、

立体的に飛び出すような、

バースデーカードは避けること。

刑務所の判断で、本人に渡せないことがあります。

シールを貼ったり装飾するのもNGです。

万が一シールの下に何か隠しているとか、

あらぬ疑いを持たれるらしいのです。

オーソドックスなハガキか(絵はがきはOK)、

手紙の場合は便箋で送りましょう。

 

再審無罪を勝ち取ったある獄中経験者は、

自分の経験を振り返って、

旅行やグルメ雑誌の差し入れが嬉しかったと言います。

塀の外の私たちは、

自由のない人に、そんなモノ送って大丈夫かな?

と思ってしまいがちですが、

 “たとえばケーキの写真は、

  目で見て美味しさを空想するだけで楽しいんです” とのこと。

その方は自由になった現在、

今度は自分が無実を訴える人々を励まそうと、

各地の刑務所へ面会に行ったり、手紙を出しています。

地方に行った時には観光パンフレットを集めて、

差し入れるようにしているそうです。

へ〜ナルホド!と思いました。

実際に塀の中を経験した方の言葉は重みが違います。

大助さんの気持ちに寄り添うことも、大切な支援活動ですね。

千葉刑務所。

f:id:daisuke0428:20180428230905j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

【51】守大助さん47歳に①

今日は4月28日、守大助さん47歳の誕生日です。

そしてちょうど、昨年結成された

「守大助さんを守る三多摩の会」の2回目の総会でした。

私たち「東京の会」とともに、

大助さんの再審無罪を目指して闘っています。

総会に大助さんが寄せてくれた手紙を全文紹介します。

 

快い春の陽気に、

体の奥から新しい力が沸いてくるように感じます。

皆さんお元気ですか!

本日はお忙しい中「第2回総会」へ参加して下さり、

本当に有り難うございます。

温かく、力強いご支援のおかげで、

仙台高裁・嶋原不当判決に負けず、

無実を訴え叫び闘いつづけています。

感謝の気持ちでいっぱいです。

今回の高裁判断が許されるならば、

無実の人は救われません!

私の貴重な人生の日々を奪っておいて、

デタラメな判断をすることが、

裁判官の仕事ですか?

今回の決定は、無実の訴え・証拠を見ないで

有罪・棄却するという、

裁判官による冤罪を作る犯罪です。

絶対に許されない決定です。

支援者・弁護団が道理を尽くして要求して下さった

「証拠開示・証人尋問」を無視した判断は、

どう考えても不公平!

審理不尽であること明白です。

特別抗告審で真実が照らされると信じて、

がんばって闘います。

今日4/28は私の47歳の誕生日です。

なんとしても40代で、両親の元へ帰りたいです。

今後もどうか、お力添えをお願いいたします。

無実の守大助

 

f:id:daisuke0428:20180428220812j:plain

 

【50】東京新聞の記事に思ったこと

前回紹介の『再審における証拠開示シンポジウム』を受けて、

証拠開示について書くと予告したのですが…、

このテーマについて書かれた記事が2本も出てしまいました。

1本はジャーナリストの江川紹子さん。

「存在しない」「いや、実はありました…」~行政文書の隠蔽とは別の、もう1つの攻防(江川紹子) - 個人 - Yahoo!ニュース

もう1本は「弁護士ドットコム」。

再審事件「自らの正義」疑わない検察、求められる裁判所の「踏み込んだ訴訟指揮」(弁護士ドットコム) - Yahoo!ニュース

いずれも明快に分かりやすくまとめられていますので、

ぜひリンクをクリックしてご一読ください!!

 

そして私は…

勇気をもらった新聞記事を見つけたので、

そちらについて書くことにします。

下記の東京新聞の社説(4月15日)で、

「針の穴にラクダを通す」と題して、

再審開始決定に対する検察の妨害について、

大崎、松橋、湖東記念病院と、

具体的な事件を3つも上げて問題提起しています。

一番下に記事のコピーを貼り付けました。

 

いずれも検察の特別抗告によって、

最高裁判所の判断を待っている事件です。

これだけの数の再審事件がまとまって、

最高裁に係属するのは極めて異例。

日本の刑事司法初のことかもしれません。

メディアも注目し、

支援活動に追い風を吹かせるチャンスです。

 

ちょっと残念なのは4段目。

“検察には検察の考え方があることも、確定判決の重さも分かります。

でも、冤罪の疑いが浮上しても検察抗告を重ねることが法の正義なのでしょうか。”

というくだりです。

“考え方があることも、分かります”って…

検察への忖度が働いているのでしょうか?

 

さまざまな冤罪事件における検察の抗告が、

いかに低レベルで言いがかりに等しいものかは、

このブログでも再三にわたって指摘してきました。

一度有罪にしたら自分たちのメンツを守るため、

ひたすら再審開始を妨害する検察。

その横暴のせいで、

名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝さんは、

雪冤を果たすことなく獄死(2015年/89歳)しました。

袴田巖さん(82歳)、原口アヤ子さん(大崎事件/90歳)、

宮田浩喜(松橋事件/84歳)さんはいずれも、

“命あるうちに再審無罪を!” と、

必死になって検察の抵抗と闘っています。

検察は彼等が死ぬのを待っているとしか思えません。

司法権力による “殺人” が、平然と行われているんです。

 

こうした事実をハッキリ報じないメディアについても書きました。

(こちらのリンク)

【48】『獄友』イベント@下北沢〜目指すは“冤罪版” We are the World!〜 - Free大助!

 

守大助さんも面会で一言、

「検察はこんなヒドイことしてるのに、

何故メディアは報じないんだろう」

と語っていました。

検察は警察のデタラメ捜査に追従し、

大助さんの無実の証拠を隠しています。

そして警察・検察のリークを垂れ流すデタラメ報道にによって、

大助さんは凶悪犯にデッチ挙げられました。

そんな仕打ちを受けながらも、

メディアの良心に対する期待を捨てていません。

 

悪いコトは悪い!とハッキリ書く。

当たり前のことをメディアにお願いしたい。

そうするには、

私たち支援者がもっと声を大にして

不条理を叫んで憤りを伝えて、

メディアの背中を後押しするしかありません。

引き続き頑張りましょう!

 

もっとスパッと書いていいんですよ。東京新聞さん。

f:id:daisuke0428:20180417163739j:plain

 

【49】司法村の皆さん、肩の荷を下ろして出直しませんか?

 4月7日、日本弁護士連合会日弁連の主催で、

『再審における証拠開示シンポジウム』が開催されました。

前々回にこちら(下リンク)で紹介した中の、

【47】だから必要!「再審法」のポイント - Free大助!

「2 再審における証拠開示手続きの明記」について、

4時間を丸々使って、

現状報告や取り組むべき課題について意見交換が行われました。

会場となった弁護士会館の会議室は、

追加で椅子を用意しなければならないほどの超満員。

法曹関係者はもちろん、

いろいろな冤罪事件の支援者も集まり、

“市民の手で司法を何とかしよう” という意識の高まりを感じました。

 

で…再審における証拠開示って何?については、

改めてゆっくり紹介したいと思います。

 ちょっと難しいトピックでもあるので、

少し勉強して準備して書きます。

 

今回はシンポジウムのトリとなった、

パネルディスカッションの、

郷原信郎弁護士の発言から感じたことを書いてみます。

郷原弁護士は元・検事。

 “何故、検察はかたくなに再審を妨害するのか” という問いに、

検察経験者として明快に答えてくれました。

「“検察の正義”…つまり日本の刑事司法は、

検察が “全知全能の神” として治めている。

だから自分たちが起訴し、有罪に持ち込んだ案件の中に、

“無辜=冤罪” など存在しないし、

再審などあってはならない…というのが検察の考えである。

これは再審だけでなく、通常審でも変わらない」

どうでしょうか?

このブログでは検察のことを

“司法マフィア” とか サイコパス と批判してきましたが、

改めて当事者だった方のリアルな声を聴くと、やはり衝撃的です。

郷原さん自身は検事だった時、

冤罪や再審に遭遇したことはなかったと言います。

そして弁護士に転身して、

はじめてその不条理が分かったと語っていました。

こんな事件も経験しているので(下リンク)

【藤井浩人美濃加茂市長 冤罪】 日本の刑事司法は‟真っ暗闇”だった!

まさに身を以て知ったというのが正直なところでしょう。

 

“再審なんてあってはならない” という考えは、

裁判所も少なからず持っているのではないでしょうか?

(前回ブログを参照ください)

【48】『獄友』イベント@下北沢〜目指すは“冤罪版” We are the World!〜 - Free大助!

“自分たちが常に正義じゃなきゃダメ” という考えは、

恐らく警察も同じ考えでしょう。

 

有罪率99.9%という日本の刑事司法の現状は、

原発は絶対安全!事故など起きない!(起きちゃいけない)

と言い続けた挙げ句、

取り返しのつかないことになってしまった原発神話ソックリです。

 

刑事訴訟法の中で「再審」に関する条項が少ないのも、

そもそも「再審なんてない(存在してはならない)」という前提ゆえなのかもしれません。

 

警察、検察、裁判所の皆さん、

ちょっと肩の荷を下ろしませんか?

あなた方は全知全能の神じゃありません。

人間ですから間違いだって犯します。

有罪率99.9%というのは、やはり異常です。

まずはそこを見つめ直してみませんか?

 

そもそもあなた方は、

無実の人を犯人にデッチ上げたくて、

今の仕事に就いたのでしょうか?

日本の刑事司法の原則は、

“疑わしきは罰せず、無辜の救済” ではありませんか?

 

だったら間違いがあっただどうリカバーするか、

その仕組みづくりを一緒にやろうじゃありませんか。

守大助さんをはじめ獄中から無実を訴える人々の自由のために、

「再審法」の制定に向けて、私たち市民も頑張ります。

 

パネルディスカッション。左から鴨志田祐美弁護士(大崎事件弁護団事務局長/日弁連再審における証拠開示に関する特別部会長)、映画監督・周防正行さん、水野智幸・法政大学教授(元裁判官)、郷原信郎弁護士(元検事)、戸舘圭之弁護士(袴事件弁護団)。

f:id:daisuke0428:20180410113816j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

【48】『獄友』イベント@下北沢〜目指すは“冤罪版” We are the World!〜

冤罪青春グラフィティ映画『獄友』ご覧になりましたか?

〈公式HP〉

ドキュメンタリー映画 「獄友」 

私はまだ観ていないので、早く行きたいです!

皆さんもぜひ『ポレポレ東中野(JR東中野駅からすぐ)へ!

 

昨日は上映を記念してのライブ&トークイベントが、

下北沢でありました。

作監督の金聖雄さん、

主題歌を提供した小室等さん、

オウムのドキュメンタリー映画を撮った森達也さん、

ラッパーのダースレイダーさんの4人に、

MCのジョー横溝さんを交えて、

目からウロコの冤罪トークが繰り広げられました。

 

※写真を撮ったのですがネット上へのアップはNGなので、一番下にチラシを貼っておきます。

 

■再審が長引くことこそが…

 

小室等さんがポツリと語った一言が印象的でした。

「再審が長引いていることこそが、無罪の証明だね」

どういうことかと言うと…以下、私の所見です。

裁判所が再審開始決定を出すまで、

時間がかかるのは何故なのか?

何故なら…再審を開いたら無罪になるのが確実だから。

それは極端なピラミッド社会である裁判所の世界において、

先輩裁判官が確定させた有罪を否定する、とても勇気のいる仕事。

(しかもピラミッド頂点に位置する最高裁判所がお墨付きを与えた…)

できるだけ先送りしたい…というのが裁判官の正直な心情。

だから再審の審理が長引いていることこそが、

無罪の何よりの証明に他ならない…。

“無罪” は “無実” と言い換えることもできるでしょう。

本当に鋭い指摘!とても感銘を受けました。

 

小室さんは歌の力で冤罪撲滅に貢献しようと、

こんなプロジェクトを立ち上げています(リンク)

冤罪音楽プロジェクトイノセンス

そして主題歌『真実・事実・現実・あることないこと』のレコーディングには、

30に近いミュージシャンが集まりました。

小室さんいわく “冤罪版 We are the World をやりたかったそう。

ボブ・ディランのような志を持った歌い手が日本にこんなにいるのが、

本当に嬉しくなります。

 

■検察に忖度しっぱなしのマスメディア

金監督は

袴田事件の再審に対する検察の抗告はイチャモンに等しい。

しかしメディアは “検察側はこう主張し、弁護側はこう主張” と、

対等に報道する。これで本当に真実が伝わるのか…」

ダースレイダーさん

「この場合、両論併記でバランスを取る=“同じ土俵”で論じるのは、

 明らかな間違い。その“土俵”を設計しているのは誰なのか、

 我々はメディアの受け手として見極めなければならない」

森さん

「検察もそれをわかってやっている」

 

私が日頃から報道に対して持っている不満・憤りを、

ズバリ指摘してくれました!

マスメディアは検察の悪行・蛮行を正面切って報じません。

検事総長を直撃して問いただすこともしません。

これは完全に検察への『忖度』でしょう。

記者クラブの付き合いもあるし、

ワルいことを書いたらいろいろ不都合が生じるんでしょう。

頑張っている記者がたくさんいることは承知していますが、

やはりマスメディアができることには限界があります。

だからこそ、このブログはメディアの端くれとして(笑)、

素人目線ながら “オカシイことはオカシイ!”と、

発信していきたいと思います。

宜しくお願いいたします!

 

トークと並行して行われたライブも素晴らしかったです!

小室等さんの『だれかが風の中で』、涙が出そうになりました。

 

f:id:daisuke0428:20180404210807j:plain

 

 

 

 

 

 

 

【47】だから必要!「再審法」のポイント

ようやく…となりますが、

前々回に予告をした「再審法」について書いていきます。

 

■背景〜そもそも何故「再審法」が必要なのか?〜

まずは基本的なポイントをおさらいします。

裁判で有罪になって刑が確定したけど、

実は冤罪の可能性が高い…という事案について、

もう一度裁判をやり直すのが「再審」です。

そしてこれまでの例を振り返ると一度再審が開始されれば、

ほぼ100%「無罪」となっています。

(再審をやったけど、やっぱり刑は変わらない…という例を私は知りません)

 

「北陵クリニック事件」の守大助さんをはじめ、

全国各地の刑務所から無実を訴えている人がたくさんいます。

中には無実を訴えたまま、死刑が執行された例もあります。

(このブログでも紹介した「飯塚事件」「福岡事件」など)

こうした人々を獄中から取り戻す、

(処刑されてしまった場合は名誉を回復する)

もっとも現実的かつ唯一の方法が再審なのです。

 

 しかし500条以上からなる「刑事訴訟法」は、

再審について書いてはありますが(第435条〜453条)、

厳密な手続きというモノが定められていません。

 なので全ては裁判官の裁量次第。

やる気のある裁判官が担当すれば、

協議が迅速に進んで再審・無罪になり、

ダメな裁判官が担当すれば、

大助さんのように4年間ほぼ何もせず放置された挙げ句に、

棄却という結果になってしまいます。

そしてこのブログでも度々指摘していますが、

検察は無実の証拠を隠して出さなかったり、

再審開始決定に対して抗告したりと、やりたい放題。

日本は法治国家と言いながら、

再審を巡る状況は事実上 “無法地帯化” しているのです。

そこで「刑事訴訟法」とは別に「再審法」を成立させて、

ルールを明文化しようというわけです。

 

■「再審法」7つのポイント

「再審法」に向けた運動の中心を担っているのが、

「九州再審弁護団連絡会」。

再審を闘っている冤罪事件が集中している九州地方の弁護団と、

(大崎、飯塚、福岡、マルヨ無線、菊池、松橋事件)

大学の研究者などが連携した運動体です。

現在は九州以外の冤罪当事者や各事件の支援者、

さらに一部の国会議員も加わり、

どんどん運動が盛り上がっています。

 

そして「再審法」の柱として7つの優先課題をあげています。

 ※各項目下の小さい青文字は、私の補足です。

 

1「疑わしきは被告人の利益に」の明記

    1975年の「白鳥決定」というのがあって…ちょっとムズカしいので機会を改めて説明します。

2 再審における証拠開示手続きの明記

 検察は無実の証拠を隠さずに全部出せ!

憲法違反が再審事由となることを明記

 日本国憲法に違反した手続きで有罪になったケースについても再審を認めろ!

4 請求権者の拡大(公益的請求人を追加)

 冤罪当事者や検察官だけでなく、弁護士等にも再審を請求する権利を!

5 検察官上訴の禁止

 再審開始決定に対する検察の抗告は絶対ダメ!

6 検証機関の設置

 何故冤罪が起きたのか、検証する第三者機関を設置して二度と同じ過ちをくり返さないように!

7 冤罪被害の回復

 再審無罪を勝ち取れたから、全てOKではありません。

 「本当は犯人なんだろう」という心ない偏見をはじめ、

 本当に大変なのは社会に戻ってから。そこを上手くケアする仕組みが必要です。

 

以上です。この7つが実現したら、

守大助さんの再審もスグにでも開かれるでしょう。

私も微力ではありますが、

「再審法」実現に向けた運動に参加していきたいと思います!

 

そして…

2月27日に開かれた「再審法改正を目指す院内集会」の

動画サイトのリンクも張っておきます。

袴田秀子さん袴田事件、桜井昌司さん布川事件菅家利和さん足利事件

も駆けつけ、それぞれにアツい想いが語られました。

ぜひ観てください!

 

有罪判決は真実そのものを追求した結果ではない!~守られぬ刑事裁判の鉄則・証拠開示は裁判所によってばらばら!?――布川事件・袴田事件・足利事件・冤罪被害者ら「再審法改正」を目指す院内集会 | IWJ Independent Web Journal