【49】司法村の皆さん、肩の荷を下ろして出直しませんか?
4月7日、日本弁護士連合会(日弁連)の主催で、
『再審における証拠開示シンポジウム』が開催されました。
前々回にこちら(下リンク)で紹介した中の、
【47】だから必要!「再審法」のポイント - Free大助!
「2 再審における証拠開示手続きの明記」について、
4時間を丸々使って、
現状報告や取り組むべき課題について意見交換が行われました。
会場となった弁護士会館の会議室は、
追加で椅子を用意しなければならないほどの超満員。
法曹関係者はもちろん、
いろいろな冤罪事件の支援者も集まり、
“市民の手で司法を何とかしよう” という意識の高まりを感じました。
で…再審における証拠開示って何?については、
改めてゆっくり紹介したいと思います。
ちょっと難しいトピックでもあるので、
少し勉強して準備して書きます。
今回はシンポジウムのトリとなった、
パネルディスカッションの、
郷原信郎弁護士の発言から感じたことを書いてみます。
郷原弁護士は元・検事。
“何故、検察はかたくなに再審を妨害するのか” という問いに、
検察経験者として明快に答えてくれました。
「“検察の正義”…つまり日本の刑事司法は、
検察が “全知全能の神” として治めている。
だから自分たちが起訴し、有罪に持ち込んだ案件の中に、
“無辜=冤罪” など存在しないし、
再審などあってはならない…というのが検察の考えである。
これは再審だけでなく、通常審でも変わらない」
どうでしょうか?
このブログでは検察のことを
“司法マフィア” とか “サイコパス” と批判してきましたが、
改めて当事者だった方のリアルな声を聴くと、やはり衝撃的です。
郷原さん自身は検事だった時、
冤罪や再審に遭遇したことはなかったと言います。
そして弁護士に転身して、
はじめてその不条理が分かったと語っていました。
こんな事件も経験しているので(下リンク)、
【藤井浩人美濃加茂市長 冤罪】 日本の刑事司法は‟真っ暗闇”だった!
まさに身を以て知ったというのが正直なところでしょう。
“再審なんてあってはならない” という考えは、
裁判所も少なからず持っているのではないでしょうか?
(前回ブログを参照ください)
【48】『獄友』イベント@下北沢〜目指すは“冤罪版” We are the World!〜 - Free大助!
“自分たちが常に正義じゃなきゃダメ” という考えは、
恐らく警察も同じ考えでしょう。
有罪率99.9%という日本の刑事司法の現状は、
“原発は絶対安全!事故など起きない!(起きちゃいけない)”
と言い続けた挙げ句、
取り返しのつかないことになってしまった原発神話ソックリです。
刑事訴訟法の中で「再審」に関する条項が少ないのも、
そもそも「再審なんてない(存在してはならない)」という前提ゆえなのかもしれません。
警察、検察、裁判所の皆さん、
ちょっと肩の荷を下ろしませんか?
あなた方は全知全能の神じゃありません。
人間ですから間違いだって犯します。
有罪率99.9%というのは、やはり異常です。
まずはそこを見つめ直してみませんか?
そもそもあなた方は、
無実の人を犯人にデッチ上げたくて、
今の仕事に就いたのでしょうか?
日本の刑事司法の原則は、
“疑わしきは罰せず、無辜の救済” ではありませんか?
だったら間違いがあっただどうリカバーするか、
その仕組みづくりを一緒にやろうじゃありませんか。
守大助さんをはじめ獄中から無実を訴える人々の自由のために、
「再審法」の制定に向けて、私たち市民も頑張ります。
パネルディスカッション。左から鴨志田祐美弁護士(大崎事件弁護団事務局長/日弁連再審における証拠開示に関する特別部会長)、映画監督・周防正行さん、水野智幸・法政大学教授(元裁判官)、郷原信郎弁護士(元検事)、戸舘圭之弁護士(袴事件弁護団)。