Free大助!ノーモア冤罪!

「北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【104】やったぞ!!湖東記念病院事件、再審開始

西山美香さん、本当に良かった!!

すでに報道でご存知と思いますが昨日(3月19日)、最高裁判所は「湖東記念病院事件」の再審開始を決定しました。

この事件、2017年12月に大阪高裁が再審を認めたものの、検察がお決まりの特別抗告(怒)。検察の言いがかりを退けての開始決定、本当に良かった!!と思います。

西山美香さんとは、最高裁要請で度々顔を合わせました。西山さんは仕事をやりくりし、滋賀県から東京まで足を運んでいました。なかなか再審が決まらず日常に戻れなかった1年3ヵ月、本当に不安だったと思います。そして自分の要請が終わった後に「他の事件のことも考えて欲しい。宜しくお願いいたします」と一言添えて、最高裁で共に闘う冤罪仲間への気遣いも忘れませんでした。自分のことだけでも大変なのに、本当に胸を打たれました。

その時の様子は、下記リンクをご覧ください。

daisuke0428.hatenablog.com

■守大助さんの「北陵クリニック事件」との共通点

「湖東記念病院事件」は医療現場の出来事を、医療知識に乏しい警察・検察が「殺人事件」にしてしまった典型的な冤罪。守大助さんの「北陵クリニック事件」ソックリです。

発端は、70代の重篤の患者さんが亡くなったことでした。致死性不静脈による病死の可能性が高かったのですが、警察は “殺人事件” と見立てて捜査を開始。看護助手の西山美香さんを厳しく取り調べます。そして “人工呼吸器のチューブを抜いて殺害した” という、 自分たちが勝手に描いたシナリオに沿った自白を強要します。

「北陵クリニック事件」では、病気や抗生物質による患者さんの急変が “筋弛緩剤を使った連続殺人” にされました。医療施設には元々具合の悪い患者さんが入院しているわけですから、死亡や急変は珍しくないこと。しかし警察の勝手な思い込みが、そもそも存在しない事件をデッチ上げてしまったのです。

“事件でなく病死の可能性が高い” ことをシッカリ認めたという意味で「湖東記念病院事件」の再審開始決定は画期的です。守大助さんの再審開始にもつながる、大きな一歩になると思います。

■一部の心ない中傷へ一言

 一部ですが、ネットでは西山さんに対する心ない中傷が見られます。“取調べの刑事に好意を抱いて自白した” ことを、信じられない、自業自得だというのです。これにはキッチリと反論しておきたいと思います。

山本誠なる刑事は脅迫的な取調べをする一方で、意に沿った自白をすると急に優しくなったといいます。「自分を信じろ。悪いようにはしない」とも言ったそうです。

実は西山さんの他にもう1人、患者さんが亡くなった現場に立ち会った看護師も取調べを受けていました。その看護師には家庭がありました。精神的に追いつめられ自暴自棄になった西山さんは独身の自分が責任を引き受ければいいと、刑事に言われるままに自白をしてしまったのです。

外の情報を一切シャットアウトされた取調室。刑事と2人だけの狭い空間で、来る日も来る日も自白を迫られたら、普通の精神状態を保っていられるでしょうか。

さらに西山さんは迎合性が強い性格だったといいます。“この刑事さんのために自白しなきゃ” と思えてしまっても無理はありません。そんなことあるの?と思うかもしれませんが、供述心理学的に見てもあり得ることなのです。

守大助さんも、清水弘之なる刑事に “お前がやってないと否認を続けるなら、彼女が犯人だな” と、婚約者だった同僚看護士の名前を出されて一度は自白してしまいます。

一番弱い所に付け込んで自白を迫るのは、警察の取り調べの常套手段。果たして自分が同じ状況で追いつめられたら、毅然とした態度を貫けるでしょうか? 責めるべきは西山さんでなく、山本刑事です。

そして山本誠刑事、清水弘之刑事ともに現在も警察にいるようです。警察の思い込みと、自白させればいいという取り調べがいかに多くの冤罪を生んでいるか、引き続き声を大にして伝えていきます。

 

西山美香さん(左)。2017年12月、大阪高裁の再審開始決定直後。右は東住吉事件で再審無罪を勝ち取った青木恵子さん。(写真:日本国民救援会) 

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