Free大助!ノーモア冤罪!

「北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【76】「司法総行動」で守大助さんの無実、訴えました。

■「司法総行動」とは?

司法は言うまでもなく、私たち市民の幸福や安全・安心を守るためのもの。裁判所、検察、警察が、好き勝手にして良いモノではありません。

 

10月4日に行われた「司法総行動」は「守大助さん東京の会」の母体となる人権団体・日本国民救援会、弁護士団体の自由法曹団労働組合組織の全労連などが協力し、日本国憲法が掲げる基本的人権を守った司法の運用を行うよう裁判所、警察庁法務省などに要請を行うという取り組み。

ちょうど20年目を迎えた今回の行動に、はじめて参加してきました。“昼に最高裁判所前に来てくれ” と言われ、何をするのか理解しないままに駆けつけたところ、宣伝カーの上に乗り、マイクを握って訴えるという大役を任されました。

以下に訴えた内容を紹介します。

北陵クリニック事件の概要についても話しましたので、事件の概要や冤罪のポイントを改めて知りたい!という方もぜひお読みください。

 

■守大助さんは無実!こんな捜査・裁判が許されるのか!

現在、最高裁判所では、私の知る限り7つの冤罪事件(※)が、再審無罪を求めて闘っています。

※飯塚、恵庭OL、大崎、湖東記念病院、袴田、北陵クリニック、松橋(まつばせ)事件

これだけの数の再審事件が同時に最高裁判所に係属するのは、日本の刑事司法史上、極めて異例の事態です。私はその1つである「北陵クリニック事件」の支援に携わっています。

この事件が起きたのは、今から17年前の2001年1月。宮城県仙台市にあった「北陵クリニック」という医療機関で、患者さんの急変(急に具合が悪くなること)が連続して起こり、准看護士の守大助さんが、5人の患者さんの点滴に筋弛緩剤を入れたとして逮捕されました。

そして裁判で有罪・無期懲役が確定した守大助さんは、千葉刑務所から無実を訴えて現在に至ります。この事件、そもそも筋弛緩剤は一切関係ありません。守大助さんは一滴の筋弛緩剤も入れていません。

5人の患者さんの急変の原因は、いずれも病気や抗生物質の副作用によるものです。担当医師がそのようにハッキリと証言しているのです。

しかし警察(宮城県警)は勝手に“筋弛緩剤を使った犯行”と思い込み、患者さんに接する機会の多かった守大助さんを犯人と決めつけ、逮捕しました。

“恐怖の点滴魔” “子どもやお年寄りの患者ばかりを狙った卑劣な犯行”…。守大助さんが逮捕された直後のセンセーショナルな報道を、覚えていらっしゃる方も多いと思います。

実はこの時点で、警察は患者さんのカルテさえ調べていませんでした。カルテを押収したのは、何と逮捕から10日も後でした。

つまり患者さんの急変が筋弛緩剤によるものなのか、基本的な裏付け捜査も行わず、予断と偏見だけで逮捕に至ったのです。

続いて警察は、鑑定書を提出してきました。“5人の患者の尿、血液、点滴液から筋弛緩剤の成分が検出された” というのです。

しかしこれが、とても “鑑定書” と呼べるような代物ではありません。まず、当然あるべきの実験データが添付されていません。鑑定試料を捜査班から科捜研に渡した際に作成されたハズの、「受渡簿」も提出されていません。

つまり本当に鑑定が行われたのか、客観的に証明するモノが何もないのです。これはあまりにも不自然すぎます。私はこの鑑定は、守大助さんを犯人にデッチ上げるために、警察がねつ造したものであると確信しています。

しかし裁判ではこのアヤシい鑑定が証拠の柱として採用され、守大助さんに有罪・無期懲役という判決が下されました。

逮捕当時29歳だった守大助さんは、自由を奪われたまま47歳になりました。30代から40代半ばまでの貴重な人生の時間を、このようなデタラメな司法によって奪われる…。

そして今日も、いつ出られるかわからない日々を塀の中で過ごしている。その無念さと憤りは、筆舌尽くし難いものでしょう。

 

 ■“第二・第三の守大助”は私になるかもしれない

守大助さん以外の冤罪事件も、驚くほど構図が似ています。“コイツがアヤシい” と決めつけ、思い込みで捜査を行う警察。脅迫的な取り調べによる自白強要。一旦起訴したら何としても有罪に持ち込もうと、無実の証拠を隠す検察。

そんな警察や検察の肩を持ち、無実を訴える被告人の声に耳を傾けず、十分な証拠調べも事実認定も行わずに有罪判決を下す裁判所…。

また裁判所が「再審開始決定」という英断を下しても検察が抗告し、再審無罪を勝ち取る機会が引き延ばされる例も少なくありません。

最高裁に係属している再審事件のうち大崎、湖東記念病院、松橋の3事件は、地方裁判所高等裁判所が再審開始決定を出しながら、つまり2度もの再審開始決定を勝ち取りながら、検察の抗告によって最高裁での闘いを余儀なくされています。

また袴田事件は同じく検察の抗告によって、静岡地裁が出した「再審開始決定」が東京高裁で覆されました。検察の横暴に対して最高裁がどのような判断を下すのか?予断を辞さない局面を迎えています。

そして現在のような状況が続くかぎり、いつ私自身が、第二・第三の守大助さんにならないとも限りません。

これは私たち1人ひとりに突きつけられた問題なのです。今こそ力を結集させて草の根から最高裁判所を動かし、日本の司法を良い方向に変え、健全な国づくりにつなげましょう!

以上で訴えを終わらせていただきます。

 

宣伝カーの上で。視線の先には最高裁の建物。(写真:T.Yamazaki)

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10月4日、

 

 

 

【75】「東京の会」総会・阿部泰雄弁護士のお話③

〈前回から続く〉

■“ネス湖ネッシーがいない”を証明しろ!?

私たちは再審請求で志田保夫先生(東京薬科大・中央分析センター教授)という、

質量分析の第一人者にお願いをして、

筋弛緩剤の未変化体を調べてもらった。

案の定m/z258なんて出てきません。

ところが今回、再審請求を棄却した仙台高裁は、

“志田教授の鑑定はm/z258が出ないことを証明していない” からダメだと。

これは “ネス湖ネッシーがいない”

“ヒマラヤに雪男がいない” ことを証明しろ!というのと同じです。

何故ここまでやって、再審を開きたくないのか?

こんな裁判ありますか?

この決定を書いた根崎修一という主任裁判官は、

この直後に栄転して東京地裁に戻りましたよ!

 

■1人の御用鑑定人さえ現れない

この裁判の特徴は、

検察側のいわゆる “御用鑑定人” が一人も出て来ないことです。

他の再審事件では検察のご機嫌取りがたくさん出て来て、

ああ言えばこう言うで、

弁護側の新証拠を潰そうと水掛けをしてくるでしょう。

ところがこの事件は科学原理法則ですから、水掛け論にさえならない。

そもそも判断が別れようがないから、

御用鑑定人さえ出て来る余地がないんです。

 

■裁判所は何を守ろうとしているのか?

それでも再審請求が棄却された。

裁判所は一体何を守りたいんですか?

裁判所だって分かっているんです。これが冤罪だって…。

しかしそれを認めるワケに行かない。

何故なら…この北陵クリニック事件に限らず、

日本の犯罪捜査は各都道府県の警察の科捜研に大きく依存している。

デタラメな鑑定で冤罪が生まれた例もたくさんある。

しかし裁判所はこれまで、

科捜研の鑑定結果にオンブにダッコで有罪判決を書いてきた。

それを認めるワケには行かないんです。

 

■そもそも科捜研は鑑定をやったのか?

警察の「犯罪捜査規範」には“鑑定資料を全量消費するな” と、

明記されている。

しかしこの事件は “全量消費した” がまかり通っている。

さらに資料を移動したら受渡簿に記載しろとも書かれています。

宮城県警から大阪府警に渡したら、その記載があるはずなんです。

しかしいくら受渡簿を出せ!と言っても出て来ない。

裁判で宮城県警の刑事が、

“私は仙台空港から飛行機で大阪に行って、

地下鉄で大阪府警まで資料を運びました” と、

バカみたいな証言をしていますが、

それなら何故、受渡簿を出さないのか?

そもそも鑑定試料なんて、存在しないんでしょう。

5人の患者さんが急変した当時、

事件性は疑われていなかったわけですから、

血液や尿をわざわざ取っておく必要がないんですよ。

だから “全量消費した” でゴマカシている。スゴい事件でしょう!

だから皆さん、もっとこの事件のことを知って、

広めてください。

証拠と事実と論理で徹底的に闘うことはもちろん大切ですが、

単に裁判所にマトモな判断をしろ!だけではダメです。

最後に彼等が恐れるのは世論ですから、

守大助君が無実だ!という声を世の中に広げることが、

とても大切なんです。

ということで…、

時間が延長してしまったことを反省しながら、

これで私の話を終わります。

〈了〉

1時間以上にわたり、熱弁をふるった阿部泰雄弁護士。

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【74】「東京の会」総会・阿部泰雄弁護士のお話②

〈前回から続く〉

■警察のカルテ押収は逮捕から10日後!!

いいですか皆さん、筋弛緩剤が使われたと断定するのに、

何をしなければならないですか?

まずは患者さんのカルテ(診療録)を精査しなければならない。

こんなことは小学生でもわかります。

カルテを精査して、急変の原因が薬剤の副作用でもない、

疾患でもないし、どうみてもわからない…。

最後の最後に、もしかすると人為的なコトが行われたのではないか?

薬物を投与してワルさをした人がいるんじゃないか?

という流れで捜査を進めるのが、アタリマエですよね。

ところが宮城県警は1月6日に守君を逮捕して、

その10日後にやっとカルテを入手した。

にもかかわらず、この時点でもうマスコミに大々的に発表して、

世の中じゅうが筋弛緩剤事件で大騒ぎです。

 

■筋弛緩剤による犯行など、そもそも存在しない

検察もあと10日で起訴を決めなければならない。

私たち弁護団は「やめろ、不起訴裁定書を書け」と申し立てをしたんです。

しかし貸す耳もなく起訴しました。

その間に、亡くなった89歳の女性について2件目の逮捕。

これは主治医の先生も、

「原因は筋弛緩剤ではなく心筋梗塞」とおっしゃっている。

守君も接見したら、

「冗談じゃないですよ。私が心筋梗塞という診断書を渡したんですから」と。

3件目は1歳の女児で、一過性の虚血性能発作。程なくして元気になった。

4件目は45歳の外来の男性で、抗生物質の副作用。

同じく主治医の先生も「筋弛緩剤でない」と。

5件目は5歳の男児で、FESの手術だった。

守君が “やった” とされる5件の急変は、いずれも病気や薬の副作用によるもの。

筋弛緩剤なんて関係ないんです。

 

■“真犯人”は『ミトコンドリア病メラス』だった

ただし発端となった11歳の女児については、具体的な病名がわからなかった。

それでもカルテには “神経症状と考えられる” と、

つまり中枢神経症状ですよ。

公判でも小川龍先生が “原因は不明であるが急性脳症、筋弛緩剤ではない” と。

それが再審請求で、

難病の『ミトコンドリア病メラス』であることが明らかになったんです。

女児が昼間、クリニックを受診するきっかけになったのは腹痛と嘔吐。

これは『ミトコンドリア病メラス』の症状と一致します。

ところが宮城県警は夕方に点滴をした5分後の急変、

“モノが二重に見える” “呂律が回らなくなった”という部分しか見なかった。

だから “原因は点滴だ!” と。

全体の流れを見ないでこんな捜査をしていたら、

往々にして間違えますよね。

思い込みで “やったのは守だ!” という筋書きで突っ走ってしまった。

だからカルテさえ調べなかった。

それがこの事件の真相です。

アホじゃないですか!! 声を大にしてトンデモない捜査だと言いたい!!

 

■一番ワルいのは裁判所です。

検察の主張も “土橋鑑定で筋弛緩剤が出た!” 一本です。

この鑑定もですね、トンでも鑑定です。

質量分析というのは、原子と分子の体重計なんです。

ですから筋弛緩剤の標品(未変化体)を分析して出る数値はm/z279。

これは日本を含む万国共通の認識なんです。

海外のどの文献を見ても、土橋のいうm/z258が出るとは書いてありません。

258と言っているのは、世界中で土橋だけ。

ですから二審の仙台高等裁判所では、

鑑定資料は全量消費したと言っているが、

筋弛緩剤の標品の鑑定できるでしょうと。

それで258が出てくるか、疑問なので再鑑定をやりましょうと。

これは当たり前の要求じゃないですか!

ところが仙台高裁は、再鑑定は不要であると。

“土橋が258を出したと言っているのだから間違いない。

分析装置が違えば、279じゃなくて258がでてもおかしくないんだ” と。

皆さん、こんなのが裁判官をやっているんです。

 

最近、行政官僚が公文書の隠蔽や改ざんをやっているって騒がれているでしょう。

こんなこと、裁判所はもう何十年も前からやっていますよ。

で…最高裁でも “土橋は間違いないんだ” で、

無期懲役の刑が確定(2008年)してしまった。

一番ワルいのは裁判所です。冤罪を完成させるのは裁判官ですから。

〈次回に続く〉

 

阿部康雄弁護士。写真は今年2月、仙台での記者会見時。

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【73】「東京の会」総会・阿部泰雄弁護士のお話①

8月18日(土)の「東京の会」総会には昨年に続き、

阿部泰雄・弁護団長を招いて、事件の問題点を改めて共有しました。

阿部弁護士は2001年1月9日、

守大助さんが逮捕された3日後にはじめて接見して以来、

17年にわたって無罪を勝ち取るために闘っています。

総会でのお話を、何回かにわけて紹介します。

※はじめての方は分かりにくいヵ所があるかもしれません。追って補足説明したいと思います。

 

■証拠の資料は?全量消費しました…でも有罪

弁護士の阿部泰雄です。

去年の7月に東京しゃべらせていただいて、約1年ぶりかと思います。

その間、今年の2月28日に仙台高等裁判所で、

再審請求の即時抗告棄却という決定が出ました。

棄却直後の記者会見で私は、

“今回の決定は、科学に対する無謀な挑戦だ!” と批判しました。

守君の有罪の根拠になっているのは、

大阪府警の土橋均(つちはしひとし)吏員による鑑定です。

まず筋弛緩剤「マスキュラックス」の標品(製品)を質量分析装置で調べたら、

m/z258という電気信号が出た。

次に5人の患者さんの鑑定資料(尿、血液、点滴溶液)を調べたら、

同じくm/z258が出たと。

従って筋弛緩剤が使われたと、こういう論理なんです。

しかも鑑定資料は全て使い切ったと、再鑑定させないわけです。

 

これは皆さん、ドーピング問題を考えてもね、

あるいは競走馬の薬物疑惑でも、

不利益処分を受ける側は再鑑定を受ける権利が保証されているんです。

ところが死刑や無期懲役もあり得る重大な事件で、

被告側に再鑑定をさせないというのは、どういうことなのか?

裁判所はこんなヒドいことをやっているんです。

ある若い裁判官にきいたら “そんなのは証拠能力がない” と、

感想を述べていました。

しかし仙台地方裁判所の判断(2004年の一審)は、

全量消費は合理性がないわけではないという判断で、有罪・無期懲役です。

判決の夜、NHKの「あすを 読む」でも若林誠一解説委員が、

「資料が残っていない場合は、証拠として認めないことが必要ではないか」と、

ハッキリ言っていました。

 

■筋弛緩剤と真逆の症状…でも有罪

日本医大麻酔科の小川龍先生は、被害者とされる11歳の女児の症状を見て、

“筋弛緩剤なんて及びもつかない。症状がまるで逆だ!” と。

仙台地裁で証言してくださいました。

麻酔学会の頂点にいる先生が、ハッキリと否定したんです。

筋弛緩剤というのは神経と筋肉の連絡を断って、筋肉を緩めて弛緩させる。

だから本来は最初に呼吸筋がやられて、

酸素が脳に行かなくなって、最後に脳がやられる。

(※そのため手術等で筋弛緩剤を使うときには人工呼吸が行われる)

ところが小川先生は、女児の症状を見て “これは逆だよ” と。

はじめに何らかの原因で脳に障害が起きたんだと。

そこで呼吸中枢がやられて、その後に呼吸とか循環機能が低下した。

心拍数が落ちて呼吸数も落ちているんです。

 

動物実験では筋弛緩剤を投与すると、必ず浅く早い呼吸になる。

何故なら呼吸筋がやられても一気に止まるわけではないので、

大きな呼吸ができない代わりに早くなる。心拍数も上がるんです。

ところが女児の症状は呼吸数も心拍数も下がっている。

つまり呼吸中枢と循環中枢が先にやられた。

脳が先で、胸(呼吸)が後だと。

筋弛緩剤は胸が先で脳が最後。これはハッキリしているんです。

しかし仙台地裁は、この疑問に何も答えていない。

400ページもある判決文の中で、まったく触れていないんです。

 

私は小川先生以外にも何人ものお医者さんに会っていますが、

皆さん、筋弛緩剤じゃないとおしなべて言っている。

 麻酔医師だって神経内科だって。

 そもそも女児には、筋の弛緩がないんです。

女児は2000年10月31日「北陵クリニック」に入院した日に急変します。

そして仙台市立病院に搬送されて心肺停止まで行ってしまいますが、

救急隊員が蘇生させて、命だけは取り留めます。

問題はですね…なぜ女児が脳梗塞のような症状をきたしたのか?

市立病院の小児科の先生もわからなかった。

 

そしてこれは大事なポイントなので申し上げますが、

11月30日に「北陵クリニック」の女医(半田郁子・副院長)の

旦那さん(半田康延・東北大学教授=クリニックのオーナー)が、

同僚の法医学教授に相談をします。

それを聞いた法医学の先生は当時大阪で愛犬家殺人事件という、

サクシン」という筋弛緩剤を使った事件がピンと来て、

“「北陵クリニック」を調べてくれ” と、宮城県警に情報提供をした。

そういうことで県警の捜査陣はすっかり舞い上がってしまい、

本来は医学的な裏付け捜査をしなければならないのに、

それもやらないでアタマから筋弛緩剤を使った犯行と断定して、

何も証拠がないのに守君を逮捕してしまった。

当時の捜査主任の高橋という警部も、

“本件の捜査の端緒は何か” という私の質問に、

“犬殺し(筋弛緩剤)が使われた可能性がある”という、

法医学教授からの情報提供だったと答えています。

〈次回に続く〉

 

裁判の不条理をアツく語る、阿部泰雄弁護士。

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【72】この間の活動&守祐子さんの訴え@高知

前回から10日以上…またまた更新が滞ってしまいました。

(これ言うの何回めだ!いい加減にしろ!と言われても仕方ありません)

 

8月は本業の仕事もプライベートもバタバタしていましたが、

何とか守大助さんの支援活動は続けています。

◆8月18日(土)「守大助さん東京の会」総会

 仙台から阿部康雄・弁護団長を招きました。

 「東京の会」の今年度の体制や方針も発表しました。

◆8月25日(土)〜26日(日)「関東連絡会・交流会」

 大助さんの支援活動をしている仲間が関東一円から集まり、

 今後の活動方針などについて、泊まり込みで議論を交わしました。

 茨城、栃木、千葉、神奈川、東京、さらには宮城や兵庫から約40人が参加。

 場所は奥多摩のパワースポットとして名高い御岳山。

 こちらの宿にお世話になりました。

 駒鳥山荘総合ページ

 眺望の素晴らしい、風格のある宿でした。

◆8月29日(木)最高裁判所要請

 このブログでも2回ほど紹介した、

 最高裁で闘う5つの再審事件が合同で行っている毎月恒例の要請です。

 今回は鹿児島から「大崎事件」の弁護団も駆けつけ、

 鹿児島のテレビ局も取材に来ていました。

 それぞれの内容は、改めて報告します。

 

さて…関東連絡会の交流会と同じ8月25日、お母様の守祐子さんは、

高知で開催された「日本母親大会」に参加。

壇上から息子・大助さんの無実を訴えていました。

母親大会って何?という方はこちらのリンクを参照。

 日本母親大会【公式ページ】

 

同大会に参加した支援者から、祐子さんの発言が届きましたので紹介します。

「私は無実の罪で17年間も拘束されている守大助の母親の守祐子です。

息子は怪我で入院した際手厚い看護に感動し看護職を志し仕事に誇りをもち、

一生懸命頑張っていました。

病気が原因で急変患者が出たものを、警察が素人判断で事件と勘違いし、

動機も目撃者も証拠もない息子を犯人に仕立て上げたのです。

唯一の鑑定資料を全量消費したとして廃棄するなど、

再鑑定を不能にし無期懲役にされたのです。

息子は無実です。私が産んで、私が育てた子どもです。

一日でも長く一緒に暮らせるよう息子を助けてください。

署名にご協力ください。」

とても力強い発言だったそうです。

4300人の参加者の胸に、必ず届いたことでしょう。

 

祐子さんは古希を過ぎ、体力的にも相当シンドイはず。

息子の無実を訴えて全国を飛び回る生活から、

一刻も早く解放しなければ!と、つくづく思います。

ご両親が元気なうちに、塀の外で大助さんとの再会を実現せねば!

と決意を新たにし、東京でも引き続き活動に力を注ぎます。

 

守祐子さんは、地元紙『高知民報』にも紹介されました。

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【71】仲間を増やして持続可能な活動を

前回の記事が8月8日。

更新が滞ってしまいまして、申し訳ございません。

今市事件について思うことの続きとか、

いろいろ書きたいことはあるのですが、

多忙にかまけてつい…という状況が続いてしまいました。

 

そしていつも読んでいただき、ありがとうございます。

毎月10日ほどで、100を超えるアクセスをいただいています。

私の知らない所でたくさんの皆さまが読んでいただいていること、

大変心強く感じています。

 

ブログの更新は滞りましたが、守大助さんの支援活動は続けています。

昨日18日(土曜日)は「東京の会」総会を無事に開催できました。

総会は年1回、主に会員さんを招いて、

1年の活動や財政状況を報告し、

今後の活動方針の提起を行う大切な行事です。

私たちの活動は、支えて下さる会員の皆さまの善意で成り立っています。

なので会員さんへの報告はしっかり行わなければなりません。

また大助さんの自由を取り戻すまで闘い続ける!

という意志を共有する機会でもあります。

 

今回も昨年に続いて、仙台から阿部泰雄弁護団長を招いて、

2月28日仙台高等裁判所の棄却決定のおかしさ、

最高裁の闘いについて、伺いました。

内容は機会を改めて紹介したいと思いますが、

弁護団長の話を聴いて “これは何とかしなければ” と、

新たに「東京の会」に入会してくださった方もいました。

 

8月25日には東京近郊の山の中で、

東京、三多摩、神奈川、茨城、千葉、栃木など、

関東一円から大助さんの支援者が集まって1泊の合宿を行う予定です。

無実を訴える声を頑までに拒否し続ける裁判所を相手にどう闘うか、

本当に厳しい状況です。

私たちが一丸とならなければなりません。

 

とにかく「東京の会」の仲間を増やして、

他の大助さんの支援団体とも協力を深めて、

闘いを盛り上げていきたいです。

弁護団は法廷で本当に頑張っています。

私たちも法廷の外で声を大にして、

“大助さんは無実!” という世論を広げていきます。

 

そして息子の無実を訴えて全国を駆け回る大助さんのご両親、

本当に頭が下がる想いです。

今回は体力的なことも考慮して総会は欠席していただきました。

大助さんと元気に再会するのが第一ですから、無理は禁物。

 

前回も書きましたが “40代のうちに塀の外” という目標を持ちつつ、

無理なく持続可能な活動をすることが、大切なんだと思っています。

 

昨日の総会の様子…と言っても私はほとんど壇上にいたのでこれぐらいしか撮っていません。写真も改めて。

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【70】守大助さんからのメッセージ

前回紹介した「今市事件」の勝又拓哉さんへの不当判決

東京高裁の法廷では何と…

判決理由の読み上げが5時間近く続いたそうです。

勝又さんはその間、臆することなく裁判官を凝視し続けたそうです。

今回はこの判決がいかにヒドいものか書こうと思っていたところ、

守大助さんから手紙が届きましたので、予定を変更して紹介します。

(今市事件は意味不明の判決要旨を読むだけで頭がオカシくなりそう。もう少し時間をください)

では以下より大助さんのメッセージ、一部を抜粋して紹介します。

 

最高裁が本当に最高の仕事をしてほしいものです。

冤罪で人生をメチャメチャにされているのです!

そのことを知ってもらいたい。

やっていないから、私は無実を訴え、

無期懲役が)確定しても、こうやって再審請求しているのです。

それを裁判官という人は、どう思っているのか?

無実の訴えを無視、無実の証拠を無視することが、

日本の刑事裁判官のやることなのでしょうか!

黒い法服を着ると、なんでも許されてしまうと思っているのでしょうか。

誤判しても罰せられないからでしょうネ。

裁判所の改革が一番必要です。

 

以上です。

大助さんの無期懲役が確定し、

千葉刑務所に収監されたのは2008年8月。

もうそれから10年になります。

面会した時、

“ちょうど北京オリンピックの年だった” と言っていました。

それからロンドン、リオと2度のオリンピックを経て、

2020年の東京は、絶対に塀の外で観戦できるよう、

支援者・弁護団と力を合わせて闘っていきたいです。

大助さんも “40代のうちに出る!” という決意とともに、

塀の中で闘っています。

奇しくも2020年、大助さんは49歳の誕生日を迎えます。

 

相変わらずシッカリしたキレイな字で書かれている。

字のヘタな私は見習わねば…。

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