【169】守大助さんから、2020年最後のメッセージ
■奪われた時間を喜びに変えられるように、一緒に闘ってください
約1ヵ月ぶりの更新となりました。千葉刑務所の守大助さんからの手紙を紹介します。いつも通り阿部泰雄・弁護団長を経由して、全国の支援者に届けられました。
今年も暖かいご支援をいただき、有り難うございました。
皆さんの支えがあり、私は闘うことができています。
第二次再審請求・仙台地裁で「再審開始・釈放」を決定させます!!
私は絶対に!筋弛緩剤を混入していません!
はや一年の締めくくりの月を迎え、皆様にはお忙しく、ご活躍のことと拝察いたします。今年は新型コロナ騒動によって、全国での外出自粛要請・動きが取れない中で、各支援する会で独自の学習会、支援要請していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。この状況の中、48ヶ所目の支援会「知多半島の会」が結成され、とても嬉しく、心強くなっています。強制留学も12年。私は悔しさ、怒り、悲しみの中で、この生活を耐えています。
第一次再審請求が最高裁で棄却されて一年。不公平な裁判がされ、とんでもない判断が許され続けています。刑事訴訟法を守らない裁判官が裁かれるべきです。この空の下にあるはずの自由が、医学を、科学を無視した裁判官独自の判断で奪われたんです。ここ数年、両親は体調を崩しています。元気なうちに帰りたいです。
第二次では裁判官に、ちゃんと専門家の意見を聞いて、医学・科学的に判断してほしい。1日でも早く、家族たちと抱き合い、奪われた時間を喜びに変えられるように、一緒に闘ってもらえませんか。2021年も皆様のお力を貸して下さい。助けて下さい。
2020年12月 無実の守大助
第二次再審請求の申し立てがいつになるのか現時点でまだわかっていませんが、弁護団は必勝を目指して準備を進めているはずです。
そして手紙で触れられているとおり、愛知県・知多半島に48番目の支援組織が結成されました。北海道から高知まで、これだけ全国に支援の輪が広がっている冤罪事件は、他にはありません。
(記事は手紙の下に続きます)
■点滴に筋弛緩剤で犯行はできない〜隠された無実の証拠〜
大助さんの支援者仲間が、こんな新聞記事があったと送ってくれました。今から15年前、まだ裁判が進行していた2005年6月の「河北新報」の記事です。
記事では「筋弛緩剤点滴事件」などと報じられていますが、筋弛緩剤は一滴も使われていません。大助さんが「点滴に筋弛緩剤を投与したとされる」患者さんの急変原因は、いずれも病気や抗生物質の副作用によることが、患者さんを担当した主治医の証言で明らかになっています。
もう何度も繰り返し書いてきましたが「北陵クリニック事件」は便宜上「事件」と呼んでいますが、そもそも事件ではありません。単なる急変を「筋弛緩剤を使った凶悪犯罪」と勝手に思い込んだ宮城県警が、基本的な裏付け捜査さえ行わずに大助さんを逮捕し、ありもしない「事件」をデッチ上げたのです。
そして筋弛緩剤は静脈への注射によって投与されるのが普通で、点滴液に混入させても生命を奪ったり重症に至らしめるのは不可能と指摘されていました。
何と宮城県警はコッソリと実験を行い「筋弛緩剤による犯行は不可能」という結論を得ていたらしいのです。
しかし現在に至るまで、検察はこの記事に書かれている実験結果を開示せず、裁判所は実験を行なった助教授の尋問を行わないまま「無期懲役」を維持し続けています。
- 一度逮捕したら、デタラメな証拠をデッチ上げてでも犯人に仕立て上げる警察
- 無実の可能性を示す証拠を隠し続ける検察
- そんな警察、検察を庇うように真実から目を背け続ける裁判所
この3者が行ったことは、まさに万死に値する行為です。最近ある殺人事件(冤罪ではないようです)の裁判で、検察は「被告人の行為は万死に値する」と言って死刑を求刑したそうです。一体何様のつもりで……。これまでさんざん冤罪を作り上げてきた検察こそ「万死に値する」のではないでしょうか。
何としても大助さんの再審を実現させ、この連中に正当な捌きが下るよう、引き続き活動を頑張ります。