Free大助!ノーモア冤罪!

「北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【160】良かった!!「あずみの里」逆転無罪

◆東京高裁で、今度は「逆転無罪」!!

本日は、嬉しいニュースがありました。「あずみの里業務上過失致死事件」で、東京高裁が無罪判決を言い渡しました。事件のはじまりは2013年、長野県の特別養護老人ホーム「あずみの里」で、入居者の女性がおやつのドーナッツを食べた直後に意識を失ったことでした。

病院に搬送された女性は意識が戻らないまま、1ヵ月後に死亡。准看護職師の山口けさえさんが注意を怠ったとして警察の取調べを受け、裁判で業務上過失致死に問われました。

そして一審の長野地裁では「罰金20万円」の有罪判決だったのが、本日の東京高裁で逆転無罪を勝ち取ることができました。2週間前には同じ東京高裁で「乳腺外科医師事件」の「逆転有罪」というトンデモない判決が出たばかり。無罪になって本当に良かったです。

介護関係者が一体となって支援活動を展開してきたことも、裁判を勝利に導けた秘訣だったかもしれません。とくに分かりやすい情報発信は、守大助さんの支援者としても、見習わなければと思います。

たとえばこちらの動画。事件の概要、冤罪のポイント、裁判で何が争われてきたのか?などが、とてもわかりやすくまとめられています。ぜひご覧ください!!

www.youtube.com

◆専門家の意見を聞くまでもなく「無罪」

争点のひとつが、女性が亡くなった原因でした。警察と検察は、最初からドーナツを喉につまらせた窒息死と決めつけていました。しかし医師が脳のCTを調べると窒息はしておらず、脳梗塞だったことが明らかになりました。

そもそもドーナツが気道を塞いだ形跡はなく、警察は亡くなった女性の司法解剖すら行わなかったといいます。守大助さんの「北陵クリニック事件」をはじめとする多くの冤罪事件と同じく、基本的な裏付け捜査さえ行わずに事件をデッチ上げたのです。

この事件も「北陵クリニック事件」や「乳腺外科医師冤罪事件」と同じく「日本国民救援会」が支援しており、医療福祉施設で起こった冤罪事件ということもあり、守大助さんの支援者仲間も裁判の行方を固唾をのんで見守っていました。

実は本日の無罪判決が出る寸前まで、悲観的な予想も少なくありませんでした。というのも、先述した「死因は脳梗塞」とする専門医の意見書を、東京高裁が証拠採用しなかったからです。

これまでの裁判の傾向として、無実を示す重要な証拠が採用されなかった場合、圧倒的に有罪になるケースが多くなっています(当たり前ですが)。

“専門家の意見を無視して有罪にするという悪しき伝統を、またしても繰り返すのか……?”と、怒りをあらわにする支援者もいました。しかしフタを開けてみると無罪!!

証拠採用されなかった理由については、ジャーナリストの江川紹子さんが明らかにしています。

医師の意見書を証拠を採用するには、(医師の)証人尋問などを行い、山口さんをさらに長く被告人の席にとどめることになる。高裁は、「(これ以上)時間を費やすのは相当でなく、速やかに原判決を破棄すべきである」とした。

 要するに、Kさん(亡くなった女性)の死因を検討するまでもなく、山口さんは無罪、という判断だ。

(Yahooニュースより)

 (記事の全文はこちらから)

news.yahoo.co.jp

山口さんを思いやって、あえて証拠採用しなかったということでしょう。しかし裁判を受ける側からすると、判決を聞くまでは気が気ではありません。少しでも早く安心を届けるためにも、ちゃんと証拠採用をした上で証人尋問を省くといった対応はできなかったのかなと思います。弁護団も証拠を出すために、労力をかけたでしょうし。

裁判所はそのぐらいのコトをしても、罰は当たらないと思います。

東京高裁前で、無罪判決を喜ぶ支援者たち。「国民救援会」、「民医連」など、さまざまな支援団体のノボリがはためく。(Yahooニュース、江川紹子さんの記事より)

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