Free大助!ノーモア冤罪!

「北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【140】“こんな人たち”に屈するワケにはいかない

◆謝罪も質問も一切拒否した滋賀県警

4月2日に西山美香さんの再審無罪が確定した「湖東記念病院事件」。

このブログでは、滋賀県警は冤罪を作ったことを反省し、再発防止策に努め、デッチ上げに加担した捜査員を処分すべき…と書きました。

(その投稿はこちらです)

【137】「湖東記念病院事件」無罪!!but…冤罪を作り上げた連中をこのまま逃がすな!! - Free大助!ノーモア冤罪!

【138】「湖東記念病院」無罪を受けて「冤罪犠牲者の会」が声明を発表 - Free大助!ノーモア冤罪!

しかしその期待は、見事に裏切られました(本音を言えば、もともと期待していませんでしたが…)。

それどころか、滋賀県警は信じられないような蛮行に出てきました。どんな“蛮行”だったのか、京都新聞のリンクを貼っておきます。

www.kyoto-np.co.jp

全文は上記リンクをお読みいただくとして、記事の一部を抜粋します(カッコ内は私の補足)。

湖東記念病院患者死亡事案について、(滋賀)県警は15日までに、17日に予定される本部長定例会見で、一切の質問を受け付けないと記者クラブ側に通告した。

(中略)

17日は無罪確定後、初の本部長会見。(記者クラブの)幹事社は7日に西山さんへの謝罪や、取り調べ担当の刑事への恋愛感情を利用して「自白」を誘導するなどした捜査手法、再発防止策についてただすことを通告した。

しかし、同室(県警の総務課広報官室)は「会見では個別事案についてコメントしない。すでに刑事企画課が対応している」と拒否。代表質問を別のテーマにするよう求め、施策への関連質問以外は受けないとした。
 県警は判決当日、刑企課の担当者が囲み取材で「無罪判決については真摯に受け止め、今後の捜査に生かしたい」などと繰り返すだけだった。

普段は警察の飼いイヌのような記者クラブですが、今回に限っては勇気のある通告を出したな!と思いました。

やはり再審無罪を勝ち取った上に、裁判所が捜査の在り方を断罪したという“お墨付き”の影響が大きいのかもしれません。

そして迎えた17日の本部長会見、滋賀県警の態度は変わりませんでした。ふたたび京都新聞のリンクを張っておきます。

www.kyoto-np.co.jp

西山さんは「謝罪せず、不当捜査への見解も示さない姿勢にあきれる。このままでは、また冤罪(えんざい)が生まれるのではないか」と批判している。

(中略)

再審の井戸謙一弁護団長(66)は「無罪判決が出た以上、組織のトップがけじめをつけなければならない。判決のどこを真摯に受け止め、どう捜査に生かすか全く分からない。改善を目指すならば、まずは謝罪だが今の対応では『自分たちは悪くないから謝りたくない』という心根が透けて見える」と指摘した。

 西山さん本人と、井戸弁護士も批判しています。お2人の言うこと、ごもっともです。

こんな滋賀県警、このまま見逃して良いハズがありません。事件を支援してきた「国民救援会」などの人権団体が、シッカリ追求するべきです。

警察官(公務員)の責任を追求することは、私たちの当然の権利。日本国憲法にも、こう明記されています。 

 第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

そもそも滋賀県警に、回答を拒否する権利なんてないんです。

しかしこんな警察にしてしまった責任は、キチンと権利を行使してこなかった私たちにもあります。警察を健全な組織に変えられるかは、私たちの手にかかっているのです。

◆万が一冤罪に巻き込まれた時は“救援会の弁護士を呼んでください”

多くの冤罪犠牲者が語っていますが、警察の取調べというのは本当に過酷です。狭い取調室で屈強な刑事に囲まれ、机を叩かれ、怒鳴られ、時には暴力も振るわれる。

この苛烈さは、体験した本人じゃなければ分からないでしょう。

私だって、万が一取調べを受ける立場になったらどうなるか分かりません。絶望感で、やってもいない罪を自白してしまうかもしれません。

しかしそれでも、屈してはダメだ!と声を大にして言いたいです。

今回の滋賀県警の対応からも分かる通り、こんな汚い連中の言いなりになるワケにいきません。

考えてみれば、刑事というのは本当に情けない人たちです。取調室ではドスの効いた声で威張り散らすクセに、自分たちの間違いが明らかになったら謝罪を拒否し、ダンマリを決め込んで逃げる。

やったことに責任を取らない…自分で自分の尻拭いもできないなんて、警察官という以前に、社会人として失格だと思います。これは警察官個人の資質でなく、警察という組織全体の体質の問題かもしれませんが…。いずれにせよ、この人たちから国家権力を取り上げてしまったら、何も残らないでしょう。

自分の仕事に責任を持って生きている大多数の皆さんの方が、はるかに優秀で貴い存在です。

だから万が一、冤罪に巻き込まれて取調べを受ける状況になっても、絶対に屈しないでください!こんな人たちを恐れることなど、ありません。

否認していると “オマエの家族の所へ押し掛ける” といった脅しをかけてくるかもしれません。そんな時も “どうぞ押し掛けてください” と、毅然と対処するぐらいの気構えを持っておきたいですね。

そんなのは不可能だ、警察の怖さを知らないから、そんなコト言えるんだ…と、お叱りを受けるかもしれません。でもやはり、屈してはダメだ!なのです。

では万が一、何もしていないのに逮捕されてしまったらどうするか。冤罪支援者仲間から聴いたアドバイスを紹介します。

  • まずは「日本国民救援会の弁護士を呼んでください」と、警察に伝える。
  • 駆けつけてくれた弁護士を信頼する。
  • 取調べでは「黙秘します」と伝えて、何も話さない。

弁護士を呼ぶのは私たちの権利。ちょっと信じられないかもしれませんが、ちゃんと伝えれば警察はこの申し出は拒否できないといいます。警察署から救援会に電話が行って、救援会がつながりのある弁護士を手配してくれます。

8年前に都内であった痴漢冤罪事件でのことです。逮捕された男性はたまたま救援会を知っていて、警察にこのように伝えました。すると弁護士がすぐに警察署に駆けつけ、それから毎日のように接見に来てくれたといいます。この事件、東京地裁では有罪(罰金刑)となりましたが、高裁で無罪を勝ち取ることができました。

また複数の冤罪犠牲者の体験談ですが “弁護士なんか信頼するな!” と、刑事が脅しをかけてくることもあるようです。これは動揺させて自白させるための作戦なので、黙秘して相手にしないのが賢明です。

この心構えを知っているだけでも、パニックになるリスクは軽減されるでしょう。

そして何よりも大切なのは、普段から司法のことに関心を持ち、問題意識を持って接することじゃないでしょうか。

取調べ可視化などの集会や学習会に参加したり、方法はいろいろあると思います。冤罪を生まないための取り組みに私たち1人ひとりが参加し、警察、検察、裁判所の在り方を含めた日本の司法を変えていくしかありません。

ちょっと感情的になり、取り留めがなくなってきましたが、今回はこのヘンで。

 

滋賀県警本部(写真は京都新聞より)

 

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