Free大助!ノーモア冤罪!

「北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【101】「乳腺外科医えん罪事件」やはり検察は控訴(怒)

■「逆転有罪」は絶対に阻止、「無罪」を死守だ!!

前回紹介した「乳腺外科医冤罪事件」の無罪判決。やはり検察(東京地検)は控訴してきました。これを受け、東京高裁で審理が続けられることになります。この事件、検察は「懲役3年」を求刑しています。もし無罪が取り消され「逆転有罪」になれば、無実の人間が刑務所に送られることになりかねません。

私たちは何としても「無罪判決」を死守しなければならないのです。

今回の無罪判決は、警察・科捜研の不正行為を断罪した画期的なものでした。科捜研による鑑定資料の破棄や全量消費、データの改ざんは、多くの冤罪を生み出す温床になってきました。こうした不正行為が強く疑われるケースでも、裁判所は完全にスルーして有罪判決を下してきたのです。守大助さんの「北陵クリニック事件」しかり、久間三千年(くまみちとし)さんの「飯塚事件」しかり…。詳しくは前回に書いた通りです。

なので科捜研のデタラメ鑑定によって有罪にされた多くの冤罪事件の再審を実現させるためにも、今回の無罪判決を良き判例(モデルケース)として、確定させなければならないのです。逆にもし有罪になってしまったら、警察はこれまでどおりデッチ上げをやりたい放題となるでしょう。

この事件、幸いにして「民医連」(全日本民主医療機関連合会)などの医療団体が支援をしています。3月4日の時点で、検察に対して「控訴を断念するように求める要請書」は団体署名485団体、個人署名246名分が集まりました。「守大助さん東京の会」も署名しました。

要請書は支援者らが東京地検に持参し、1階ロビーのベンチで事務官が受け取ったとのこと。ただし支援者4人のうち入るのが許されたのは1人だけだったそう。すでに控訴を決めていたのでしょう。

■やはりマスコミでなく「マスゴミ」と呼ばせてほしい

今回の検察(東京地検)による控訴、「Yahooニュース」をチェックすると「朝日」「読売」「産経」が報じています。しかしいずれの記事も、検察が何故控訴したのか?という理由が1行も書かれていません。

本来なら東京地検の幹部を直撃し、控訴を厳しく問いただすのがマスコミの役目じゃないでしょうか?新聞記者は検察が怖いんでしょうか?記者クラブでお世話になっているから追求できないんでしょうか?

ご存知のとおり検察は「袴田事件」の袴田巖さんも「拘置所に再収監せよ」と主張しています。こちらは東京地検でなく最高検察庁。つまり日本の検察組織のトップ自らが、無実が明らかな人間を「死刑台に連れ戻せ!」と平然と言い放っているのです。しかし検事総長以下、最高検の幹部を追求するマスコミは見たことがありません。

昨今は「新聞記者は国民の代表か?」という議論もあるみたいですが、私はこんな人たちを代表と認めるつもりはありません。

 ■検察も「息をするようにウソをつく」

というわけで、せめて東京地検の検事正・甲斐行夫さんの写真とプロフィールを下に貼付けておきます。同地検のHPからのスクリーンショットです。読んでいただけば分かるとおり、口では凄いことを言っています。

「厳正公平、不偏不党を旨とし、基本に忠実な捜査・公判を行って…」だそうです。

難しい語句を使っていますが、自分で意味を分かっているのでしょうか?

ついでに最高検検事総長のページもリンクを貼っておきます。さらにスゴい決意を述べています。

検事総長の紹介:検察庁

 今、我が国の首相が「息をするようにウソをつく」と揶揄されていますが、検察も負けてはいませんね。

ハナシを今回の「乳腺外科医冤罪事件」に戻します。東京地検の控訴を受けて、被害を訴える女性の代理人弁護士が「控訴審の裁判官が適切な判断をし、有罪判決が下されると信じている」と、女性のコメントを読み上げたそうです。女性は手術後の幻覚で、本当にワイセツ行為をされたと思い込んでいるのだから、仕方ありません。

問題は代理人弁護士です。この弁護士、2月20日の無罪判決が出た直後に記者会見を行い「無罪判決に、大変驚いている」とコメントしていました。

私は、こんなことを平然と言う弁護士がいることに「大変驚いて」います。この人は科捜研のデタラメを容認するつもりなのでしょうか? いくら依頼人の権利を代弁するとは言え、弁護士本来の使命を大きく逸脱していると思います。

この直後、ある冤罪事件の再審弁護団の事務局長を務めている女性弁護士から、こんなツイートがありました。

“無罪判決が出たとき、「被害者」が糾弾すべき相手は無罪となった被告人ではなく、杜撰な捜査をし、手続的正義を無視した証拠を提出した警察・検察(国)である。被害者代理人弁護士は、それを被害者に説明しなければ、真の意味で被害者に寄り添う専門家とは言えないのではないか。”

この弁護士さんは「大崎事件」の鴨志田祐美弁護士。本当にその通りだと思います。弁護士さんと言っても冤罪に理解のある人、ない人、いろいろいるものですね。

 

東京地検・甲斐行夫検事正の経歴。検察のトップに上り詰めるのは「法務省刑事局」出身者が多い。法務省が実質的に検察に支配されていると言われる所以だ。

f:id:daisuke0428:20190305220059p:plain