Free大助!

「冤罪・北陵クリニック事件・無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録〜素人の素朴な目線から冤罪を考える〜

【75】「東京の会」総会・阿部泰雄弁護士のお話③

〈前回から続く〉

■“ネス湖ネッシーがいない”を証明しろ!?

私たちは再審請求で志田保夫先生(東京薬科大・中央分析センター教授)という、

質量分析の第一人者にお願いをして、

筋弛緩剤の未変化体を調べてもらった。

案の定m/z258なんて出てきません。

ところが今回、再審請求を棄却した仙台高裁は、

“志田教授の鑑定はm/z258が出ないことを証明していない” からダメだと。

これは “ネス湖ネッシーがいない”

“ヒマラヤに雪男がいない” ことを証明しろ!というのと同じです。

何故ここまでやって、再審を開きたくないのか?

こんな裁判ありますか?

この決定を書いた根崎修一という主任裁判官は、

この直後に栄転して東京地裁に戻りましたよ!

 

■1人の御用鑑定人さえ現れない

この裁判の特徴は、

検察側のいわゆる “御用鑑定人” が一人も出て来ないことです。

他の再審事件では検察のご機嫌取りがたくさん出て来て、

ああ言えばこう言うで、

弁護側の新証拠を潰そうと水掛けをしてくるでしょう。

ところがこの事件は科学原理法則ですから、水掛け論にさえならない。

そもそも判断が別れようがないから、

御用鑑定人さえ出て来る余地がないんです。

 

■裁判所は何を守ろうとしているのか?

それでも再審請求が棄却された。

裁判所は一体何を守りたいんですか?

裁判所だって分かっているんです。これが冤罪だって…。

しかしそれを認めるワケに行かない。

何故なら…この北陵クリニック事件に限らず、

日本の犯罪捜査は各都道府県の警察の科捜研に大きく依存している。

デタラメな鑑定で冤罪が生まれた例もたくさんある。

しかし裁判所はこれまで、

科捜研の鑑定結果にオンブにダッコで有罪判決を書いてきた。

それを認めるワケには行かないんです。

 

■そもそも科捜研は鑑定をやったのか?

警察の「犯罪捜査規範」には“鑑定資料を全量消費するな” と、

明記されている。

しかしこの事件は “全量消費した” がまかり通っている。

さらに資料を移動したら受渡簿に記載しろとも書かれています。

宮城県警から大阪府警に渡したら、その記載があるはずなんです。

しかしいくら受渡簿を出せ!と言っても出て来ない。

裁判で宮城県警の刑事が、

“私は仙台空港から飛行機で大阪に行って、

地下鉄で大阪府警まで資料を運びました” と、

バカみたいな証言をしていますが、

それなら何故、受渡簿を出さないのか?

そもそも鑑定試料なんて、存在しないんでしょう。

5人の患者さんが急変した当時、

事件性は疑われていなかったわけですから、

血液や尿をわざわざ取っておく必要がないんですよ。

だから “全量消費した” でゴマカシている。スゴい事件でしょう!

だから皆さん、もっとこの事件のことを知って、

広めてください。

証拠と事実と論理で徹底的に闘うことはもちろん大切ですが、

単に裁判所にマトモな判断をしろ!だけではダメです。

最後に彼等が恐れるのは世論ですから、

守大助君が無実だ!という声を世の中に広げることが、

とても大切なんです。

ということで…、

時間が延長してしまったことを反省しながら、

これで私の話を終わります。

〈了〉

1時間以上にわたり、熱弁をふるった阿部泰雄弁護士。

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