Free大助!

「無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録

【38】守大助さんの再審開始を求める医療人アピール

 

2月4日の日曜日、仙台の弁護士会館で、

「守大助さんの再審開始決定を求める全国集会」が開催されました。

北は北海道から南は高知まで、

全国各地から大助さんを応援する200人が参加し、

再審無罪を勝ち取るまで闘い抜くことを、

改めて誓い合いました。

全国の医療関係者134人による声明も発表されました。

格調のある素晴らしい内容で、

事件の問題点も分かりやすく網羅されていますので、

全文を紹介します!

※前回予告をした警察鑑定の問題点につきましては、改めて書きたいと思います。

 

■守大助さんの再審開始を求める医療人アピール

 2001年1月、仙台市の医療法人北陵クリニックで准看護士として働いていた守大助さん(当時29才)は、5人の患者の点滴に筋弛緩剤を混入したとして殺人・殺人未遂で無期懲役刑が確定し、現在千葉刑務所に投獄されています。守大助さんは有罪確定後も裁判のやり直しを求めて再審請求を申し立てましたが、仙台地方裁判所が請求を棄却したため、現在、仙台高等裁判所で即時抗告審が行われ、まもなく判断が下されます。

 この事件は、医療現場で起きた患者の急変、死亡が端緒となっていますが、守大助さんは対象患者のカルテを調べる前に逮捕されました。医療現場に携わる者としては考えられない手順・手続きであり、予断に基づく逮捕であったと断ぜざるを得ません。

 裁判では、対象となった5人の患者のそれぞれの主治医が下した診断が全て無視され、全員「筋弛緩剤中毒」と判断されました。主治医の診断結果を、裁判官がすべて覆したのです。

 判決の根拠とされたのは、「押収した患者の点滴ボトルと、尿や血清から筋弛緩剤マスキュラックスの未変化体の成分が検出された」という大阪科捜研の「土橋鑑定」と、公判廷における東北大学教授の「証言」でした。ところが、「土橋鑑定」では鑑定試料を全量消費したとして再鑑定不能とされ、鑑定試料の採取・輸送・受け渡し・保管などの記録や、それが本人のものであることを証明する資料も、実験ノートも、実験結果の生データさえ提出されていないなど「鑑定」としての価値が疑われるものです。

 公判では患者の「急変3時間後の血液から1mlあたり25.9ng、点滴から7日後の尿から1mlあたり20.8ngの筋弛緩剤が検出された」という鑑定結果に対して、弁護人側は「科学的にあり得ない」「点滴された筋弛緩剤の量は天文学的な数字になってしまう」と証言しましたが、裁判ではこの主張も排斥されました。

 再審請求審では、弁護側から「鑑定結果」は『検出されるはずのないものを検出した』とする誤りであった事を証明する鑑定意見書が出され、『(被害者の一人とされるA子の)急変症状は筋弛緩剤の薬効と矛盾する』『A子の症状はミトコンドリア病メラスで説明できる』との医師意見書などの新証拠を提出しましたが、事実調べも、証拠開示もないまま棄却されました。

 私たち医療人は、直接患者の生死を預かる仕事に従事しています。常に細心の注意を払い、日々研鑽に努めていますが、患者の急変、時には予期せぬ看取りを日々目の当たりにします。だからこそ、この事件は決して他人事ではありません。急変や死亡の原因は医師が医学的に診断するものであり、見込みや思い込みで判断されるべきではありません。争いがある場合は一層慎重に事実に向き合い、最新の医療知見によって判断されるべきことは言うまでもありません。

 仙台高等裁判所は、即時抗告の判断をするにあたり、客観的事実を審理の対象とし、科学と道理、何よりも医学的知見を汲み尽くして公平に判断されることを期待します。無実の医療関係者の叫びに真摯に耳を傾け、無実の者を無罪にするために、医療関係者の連名にて守大助さんの最新開始を求め、アピールとします。  2018年2月4日

 

 アピールを読み上げる、水戸部秀利医師(仙台市・若林クリニック所長)。

大助さん支援の環は、地元仙台の医療関係者の間にも着実に広がっている。

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