Free大助!

「無実の守大助さんを守る東京の会」事務局長の備忘録

【37】守大助さんが無実の理由〜そもそも事件がない〜

前回予告した通り、

守大助さんを無実と確信する理由を紹介します。

このブログで過去に触れた内容と重複もありますが、

2月4日の全国集会を前に、

改めてまとめておきます。

 

■医師が “筋弛緩剤の仕業” と診断していない

大助さんが点滴に筋弛緩剤を混入したことによって、

急変(急に具合がワルくなる)した “とされる” 5人の患者さん。

実はそれぞれのカルテには担当医師によって、

急変の原因がハッキリと記されています。

たとえば心筋梗塞であったり、

抗生物質の副作用であったり…。

“筋弛緩剤による” とは1行も書かれていません。

言うなれば、

急変は病気や(筋弛緩剤以外の)薬によるもので、

そもそも事件自体が存在しない…というわけです。

 

詳細は下記サイト内「起訴事案5件の比較表」を参照ください。

無実の守大助さんを支援する首都圏の会

このHPの「首都圏の会」は私たち「東京の会」よりはるかに早く発足。

東京には他にも、大助さんの支援をしている団体がいくつかあります。

機会がありましたら、改めて紹介したいと思います。

 

このうちA子さん(当時11歳)の急性脳症だけが、

いま一つハッキリしませんでした。

現在ではミトコンドリア病メラスという、

細胞レベルの難病によって引き起こされたことが、

ほぼ明らかになっていますが、

2001年当時は広く知られておらず、

「北陵クリニック」においても、

後に搬送された「仙台市立病院」においても、

医師たちは原因究明に頭をひねっていました。

 

そのことをクリニックのオーナー・半田泰延・東北大学教授が、

同大学の舟山眞人・法医学教授に相談します。

そして “筋弛緩剤が使われたかも” と推測した舟山教授が、

宮城県警に通報します。

あくまでも “疑いがあるから捜査してみてね” と、

伝えただけだったのですが、

警察は “それは大変だ!” と色めき立ってしまったのです。

そして、

“准看護士の守大助がアヤしい。奴の仕業に違いない!”

と決めつけて、

“しょっぴいて自白させれば何とかなるだろう”

と逮捕してしまったのです。

通報から約1ヵ月後の、2001年1月6日のことです。

 

■逮捕した後にカルテを押収

ここで疑問が生じるはず…。

警察は5人の患者さんのカルテをチェックしなかったのか?

そう、していなかったんです!

警察がカルテを押収したのは、

何と…大助さんの逮捕から10日後でした!

もし事前にカルテを精査していれば、

事件性ナシで終わっていたハズなのです。

もちろん大助さんの逮捕だってなかったでしょう。

原因がハッキリしないA子さんの急性脳症についても、

医師に聞き取りを行っていれば、

少なくとも筋弛緩剤は関係ないことが分かったでしょう。

 

大助さんは1月6日にA子さんに対する容疑で、

続いて3月までの間に、

残り4人について逮捕・起訴がくり返されました。

警察はカルテを押収して筋弛緩剤が関係ないと分かった後も、

逮捕を続けていたことになります。

 早くから冤罪を疑っていた報道番組

ザ・スクープテレビ朝日では、

患者さんを担当した医師の、こんなインタビューが登場します。

「急変はミノマイシン抗生物質の一種)の副作用だと説明したが、

警察も検察も “いや、筋弛緩剤だ” の一点張りで取り合ってくれなかった」

 大助さんを犯人と決めつけたら一直線。

すでに逮捕を大々的に発表し、

 “恐怖の点滴魔” という報道も拡散されていたので、

(マスメディアの問題については改めて書きたいと思います)

後戻りできなかったのでしょう。

まさにブレーキの壊れた機関車…。

過ちを認めない警察・検察の体質は、

冤罪を生む要因の一つになっています。

 

 ■“筋弛緩剤” というキーワードが一人歩き

大助さんの弁護団長・阿部泰雄弁護士は、

私たち支援者にこう語ります。

「そもそも筋弛緩剤が使われていないのだから、

間違ったイメージを拡散させないためにも、

“筋弛緩剤冤罪事件” と呼ぶのはやめて欲しい」

 “筋弛緩剤” というキーワードがはじめて登場したのは、

先ほど書いたとおり舟山教授の通報でした。

1990年代に筋弛緩剤を使ったとされる殺人事件が、

相次いで起きており(冤罪を訴えている事件もあります)

おそらくそこから連想したのでしょう。

 宮城県警も “我が地元でも起きてしまったか!”

と思ったに違いありません。

そして冷静さを失って(こんな時こそ冷静であるべきですが)

逮捕後にカルテを押収するという、

常識では考えられない暴挙に出てしまったのでしょう。

実は警察の「初動捜査状況報告書」は、

未だに表に出ておらず、弁護団は開示を求めています。

これが開示されれば、

警察がいかにしてボタンの掛け違いに至ったか明らかになるハズです。

 

■そもそも筋弛緩剤って

いつもより長めに書いてしまいましたが、

肝心の筋弛緩剤について書いていませんでした。

筋弛緩剤というのは、その名のとおり筋肉を緩める薬。

手術などで全身麻酔をする際には、

喉から管を通して肺に人工呼吸を行いますが、

その管を通りやすくするため、

喉や呼吸する筋肉の力を失わせるために用いられます。

静脈に注射されるのが一般的で、

大助さんが “やったとされる” 点滴に混入する方法では、

十分に効き目が得られず、

急変を引き起こすことなどは不可能…

というのが多くの医療関係者の一致する意見です。

製造元であるオランダのメーカーも、

「とてもあり得ない」と明言しているのです。

 そもそも患者さんは5人とも、

急変時に筋肉の弛緩が出ていません。

 

筋弛緩剤は大量に投与すれば死に至らしめることも可能ですが、

大助さんが使ったとされる量は、

患者さん1人あたり数ミリグラム程度。

しかも点滴液で相当に薄められていたことになります。

阿部泰雄弁護士は、このように例えます。

“射程距離50メートルの拳銃で、

100メートル先の人を撃ち殺したと言っているようなもの”

 

しかし警察は、

“患者さんの点滴液、尿、血液を調べたら、

筋弛緩剤の成分が検出された” という鑑定を提出。

裁判所もこれを認め、大助さんを有罪・無期懲役としました。

次回はこの鑑定がいかにアヤしい代物かを、紹介します。

 

地元・宮城をはじめ支援者有志が協力して、大助さんの無実を説明するパンフレットも制作。

希望される皆さまに配布したいのですがスミマセン…まだお問い合わせフォームを開設できてません。

もう少しお待ちください。

 

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